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2024年2月28日更新

保健師になるには?最短で資格を取得するルートや向いている人

保健師になるには、保健師国家試験に合格する必要があります。国家試験の受験資格は、看護師の資格を取得したうえ、保健師養成コースで1年以上学ぶことで得られます。大学の看護学部や4年制の専門学校では、決められた課程を修了すれば、卒業時に看護師と保健師の国家試験受験資格を得られるので、ダブル受験も可能。最短4年で保健師になるための受験資格を取得できます。

保健師国家試験は年に1回、2月に行われ、試験日は看護師の国家試験の数日前であることが多くなっています。合格率は80%から95%の間で推移しています。保健師の資格を取得すると、申請することで養護教諭2種免許を取得することができます。

保健師になるには

保健師に必要な資格・試験

保健師は、看護師の資格に追加して取得する国家資格です。看護師の資格を取ったうえで、保健師養成コースで1年以上学ぶと保健師国家試験の受験資格が得られます。国家試験に合格すると保健師の資格を取得できます。また、保健師養成コースを設置する4年制の看護師養成学校で必要な課程を修めると、卒業時に看護師と保健師の両方の国家試験を受験できます。免許は更新制ではなく不正などを行わない限り一生涯保持することが可能です。

保健師国家試験は年1回、2月中旬に行われます。看護師国家試験の数日前に実施されることが多く、合格発表は3月の下旬です。合格率は80%から95%の間で推移し、年によって差がありますが、低くても80%、90%を超える年もあります。看護師の知識を有したうえ、しっかりと勉強をすれば合格が目指せると言えます。

かつては、4年制の大学では保健師コースも必修で毎年15,000人以上が受験していましたが、選択制に移行したため、2016年から受験者数は8,000人程度となっています。2022年の試験では、7,948人が受験し、7,094人が合格、合格率は89.3%でした。

大学や専門学校を卒業と同時に受験した新卒者のみのデータを見ると、合格率は85〜97%の間で推移しています。2022年の試験では、7,504人の新卒者が受験して 6,975人が合格、合格率は93.0%でした。不合格の場合は、翌年以降の試験で再試験が可能です。

保健師の免許を取得すると、申請することで養護教諭2種免許も取得できます。

保健師国家試験の合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

保健師を養成する大学・専門学校・学費

保健師になるには、看護師の資格を取得したうえ、1年、またはそれ以上の期間、保健師養成課程で学んで、保健師国家試験に合格する流れになります。保健師養成課程も設置している看護師養成の大学や4年制の専門学校では、学校を卒業するときに、看護師と保健師の両方の国家試験を受験することができます。

文部科学省が所管する4年制の大学で、2022年4月時点で学生募集をしている保健師課程を設置する学校は、国立が35大学、公立が43大学、私立が169大学の合計247大学です。 他に、看護大学などを卒業した後に入学できる大学院は国立が5、公立が4、私立が6、合計15課程、看護師資格を取得した後で入学できる大学専攻科や短大は合計6あります。

保健師養成課程を設置している大学で学ぶ場合、看護学部の学費は、4年制の国公立大学の看護学部で250万円程度、私立大学で450万円~700万円程度です。

保健師の就職先

保健師の就職先の54.8%が市区町村です。保健師総数55,595人のうち、30,450人が市町村で働いています。各自治体の保健センターで健康指導や感染症対策などの他、役所内で健康や福祉の政策立案なども行います。

全体の15.3%、8,523人は保健所に勤務しています。保健所は一般的に都道府県や特別区、政令市が運営し、健康福祉に関する相談や、感染症対策、災害対策など、より広範の施策に関わります。

都道府県の役所などに勤める人と合わせて、公務員とし行政に携わる保健師は、約74%にのぼります。その他、企業などの事業所、病院、介護施設、看護師学校等が保健師の職場となっています。

厚生労働省「令和2年度 衛生行政報告例」より

保健師の仕事内容

保健師の仕事の基本は、病気の人に限らず、地域住民や組織に所属する人々の健康で安全な生活をサポートし、そのための指導をすることです。

7割以上が勤める行政では、「母子保健」「成人保健」「高齢者保健」「介護」「感染症保健」「精神保健」「難病患者・障害者保健」などさまざまな分野で、健康を支援する施策の企画から実施まで担います。あらゆる人々が安全な暮らしを送るために必要な制度を整えることも担います。

病院等では、退院して社会で生活する上の支援や、健康診断、人間ドックプログラムの開発などに従事します。企業などで社員の健康と生活の支援をする産業保健師は、働く環境が健康に悪影響を及ぼさないかどうかチェックし、職場での事故や過労による健康の悪化を防止します。働く人の健康を保つことが企業の責任として明確化されている近年、産業保健師の役割が大きくなっています。

また、保健師の資格を持っている人は、申請することによって養護教諭2種免許を取得することができるため、学校で養護教諭(保健室の先生)として、児童・生徒の健康を守る道もあります。

保健師の仕事内容

行政・さまざまな年齢の人への健康サポート・指導
・妊娠・出産、育児に関連するサポート・指導
・精神疾患患者、難病患者、障害者への生活サポート
・介護予防事業
・感染症や食中毒発生時の調査、予防
・災害時の住民の健康管理
・健康診断の実施や健康増進プログラム開発
事業所・健康診断の実施、社員への生活改善指導
・社内労働環境チェック
(安全に作業できるか、健康に悪影響を及ぼさないか)
・ストレス相談
・仕事現場でのけがや病気の応急処置
病院など・退院時の支援
・仕事現場でのけがの病気の応急処置
・健康診断後の健康指導

保健師の月給・年収・給料

保健師の平均給与を見ると、月給は各種手当て込みで32万3,800円、賞与・ボーナスの平均は92万900円、年収にすると480万6,500円程度です。

短時間勤務の場合の時給の平均は1,889円と、一般的なパート勤務の仕事より少し高めの水準となっています。

初任給としての調査結果ではありませんが、20〜24歳で就業経験0年の保健師の平均月給を見ると、25万5,200円ですので、初任給もこの前後の金額と推察できます。

保健師の給与

年収480万6,500円
月給32万3,800円
賞与・ボーナス92万900円
時給1,889円
初任給25万5,200円
(20~24歳で就業経験0年の保健師の平均月給)

(「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

保健師の適性・向いている人

保健師は幅広い年代の人と接する仕事のため、人と関わることが好きで、人に寄り添う姿勢はとても大切です。地域や組織の課題を見つけ出し、現実的に解決する力や各種プログラムや施策を立案し実行する企画力も必要な能力です。

さまざまな専門職と協力したり、各所との調整役を担ったりする場面も多く、協調性やコミュニケーション能力も適性のひとつです。さまざまな施策を企画・実行する上では、論理的思考力があり、統計の知識が身についていることも強みとなります。

共感力・他人に関心を持つ力

保健師は人に心を寄せ、支える仕事です。地域の人とふれあうことが楽しい、好きだと思えることは強みになります。さまざまな事情や病気を抱える人と接する機会も多く、人の痛みや苦しみを理解し共感できる力も必要です。そして、悩みに寄り添い言葉をかけ、ケアする姿勢も求められます。年齢も価値観もさまざまな人と向き合うので、どんな人でも分け隔てなく接することのできる寛容さも大切です。

観察力・問題発見能力・解決力

保健師には、地域の人や従業員など、管轄する幅広い人の健康や安全を守る役割があります。顕在化した問題を自分から相談しに来る人だけに応じるわけではなく、人と向き合うとき、現場を見るとき、細部まで観察して課題を発見することも重要な仕事です。また、問題をどのように解決したらよいか、現実的な対策を検討し、実行に移す力も大切です。

企画力

保健師は、健康診断や人間ドック、健康増進プログラムのイベントなど、幅広い年代の人の健康を守る施策を考え実行します。興味を持ってもらえるようなプログラムや各年代にアプローチできる方法を考えるなど、企画を立てる力は強みになります。企画した施策を関係者と協力して実施まで持っていく行動力も含め、重要なスキルです。

協調性・コミュニケーション力

保健師は、上記のような健康増進プログラムの企画・実施などを通して関係者と協力する立場にあり、関係機関との調整役を担う場合もあります。

また、医療や福祉に携わる他職種の専門家や地域住民など、さまざまな人と協働する場面も多くあります。そのため、協調性やコミュニケーション力も欠かせない能力です。

論理的思考・統計の知識

保健師が実施する施策は、科学的な根拠に基づいた成果が求められます。そのため、論理的思考が重要となります。

また、住民の健康状態等を正確に把握するために、各種調査を行ったり、すでに行われた調査を活用したりして統計をとり、それに基づいて課題を発見し施策提案することもあります。そのため、統計の知識が身についていることは大きなメリットとなるでしょう。

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