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2023年6月7日更新

栄養士になるには

栄養士になるには、栄養士養成課程のある学校に入学して、所定の単位を修めて卒業する必要があります。独学ではなることができません。大学、短期大学、専門学校があり、2年制、3年制、4年制と、修業年限も3種類あります。学校はすべて昼間部で、夜間部や通信教育の学校はありません。どの修業年限で学んでも、栄養士の資格に差はありませんが、栄養士として働きながら管理栄養士の資格を取る場合には、学んだ修業年限によって、管理栄養士国家試験の受験資格を得るまでに必要な実務経験年数が変わってきます。

栄養士になるには

栄養士に必要な試験・資格

栄養士は都道府県知事の免許を受けた資格です。大学、短期大学、専門学校の、栄養士養成課程に入学して、所定の単位を取得して卒業すると栄養士資格を取得できます。資格取得のための試験はありません。必ず指定の学校で学ぶ必要があり、独学で資格を取ることはできません。2年制、3年制、4年制の課程があります。

管理栄養士養成課程を持つ4年制の大学を卒業した場合は、管理栄養士の資格取得を目指し、卒業と同時に管理栄養士国家試験を受験することが一般的ですが、国家試験に受からなかった場合も栄養士の資格は得られます。

栄養士を養成する大学・学費

栄養士養成課程を持つ学校は、全国栄養士養成施設協会によると、全国に135校あり、その内訳は、大学が17校、短期大学が90校、専門学校が28校です。すべて昼間部で、夜間や通信教育の学校はありません。大学や短期大学では家政学部や栄養学部、食物栄養学科などに設置されていて、学部や学科の名称は学校によってまちまちです。進学を考える場合は丁寧に調べる必要があります。専門学校では、栄養士科、栄養士学科などの名称の学校が多くなっています。

栄養士課程のある学校の学費を見ると、修業年限によって異なります。短期大学や専門学校など2年制の学校では230万円〜270万円程度、3年制の学校で320万円程度〜350万円程度、大学など4年制の専門学校で、350万円〜500万円程度です。栄養士課程を持つ公立の短期大学が3校あります。公立は1年間の学費が39万円、他に教科書代や実習費、入学金などがかかり卒業までの学費は100万円程度〜120万円程度です。

栄養士の就職先

栄養士の就職先は、企業の社員食堂、給食を提供する学校や保育所、入院患者さんや入所者さんに食事提供が必要な病院や介護施設など、一度に多くの人の食事を提供する場所に広がっています。大人数に向けた給食をつくる専門の給食会社に就職し、病院や学校、施設の給食センターなど、調理・配食現場に配属される場合もあります。

新卒者の就職先

栄養士養成課程を卒業した新卒者の就職先を見ると、病院が21.4%、保育所などの児童福祉施設が21.1%と特に多く、その他、介護保険施設が15.3%、給食会社等14.4%、企業12.3%、学校9.6%となっています。給食を提供する施設は、その施設で直接人を雇う場合と、給食会社に業務全体を委託する場合があり、給食会社に就職して、病院、企業の食堂、学校、福祉施設などの各現場に配属になることもあります。給食会社では、いろいろな分野の現場を経験できることがあります。

こちらのデータでは、病院、学校、企業、児童福祉施設、社会福祉施設、介護保険施設への就職は、その施設に直接雇用されている場合と、委託給食会社から配属されている場合の両方が含まれています。

栄養士の就業場所

令和3年度栄養士養成施設卒業生就職先内訳グラフ

栄養士の仕事内容

栄養士の仕事は、栄養を考えた献立づくり調理業務栄養や食事の指導が基本です。企業や学校、保育所、病院、介護施設などの給食施設では、年齢や健康状態に合わせて栄養バランスの整ったメニューを開発し、調理場の衛生管理を行います。調理業務や食材の選定・調達、管理を行うこともあります。給食の提供以外に、健康維持、病気予防のための栄養指導も行います。個別指導のほか、ポスターやリーフレットを作成し、栄養の知識を広めることもあります。

病院では、病気の人の栄養サポートや医学的栄養管理は管理栄養士が担当するのが一般的で、栄養士は、調理場の管理、調理業務を中心に行って役割を分けるケースが多くなります。介護施設では、きざみ食やミキサー食など、噛む力・飲み込む力に合わせた食事を用意するなどの工夫が求められます。

栄養士課程のある短期大学や大学で教職科目をとり二種免許状も取得すると「栄養教諭」の免許状を取得できます。栄養教諭は、主に小中学校で子供達が食や栄養の知識をつけられる授業を行ったり、家庭科や社会科や理科、総合学習の時間などに、食物や栄養に関する指導を行ったりします。

そのほか、食品メーカーや外食企業などでは、栄養や食の知識を生かして商品やメニューの開発に従事することもあります。

栄養士と管理栄養士の違い

栄養士も管理栄養士も、食と栄養に関わり人々の健康を支える仕事ですが、栄養士が、主に健康な人に対する栄養指導や給食の運営を行うのに対し、管理栄養士は、病気の人の栄養サポート、高齢で食事が摂りづらい人のサポートなども含めたより高度で専門的な仕事に携わります。

栄養士の資格を持っている人は、栄養士として実務経験を規定の期間以上積むと管理栄養士国家試験の受験資格が生まれ、受験して合格すると管理栄養士になることができます。必要な実務経験年数は、2年制の栄養士課程を卒業した場合は3年以上、3年制の場合は2年以上、4年制の場合は1年以上です。

栄養士の仕事内容

給食施設(学校、企業、保育所など)食事提供する人の年齢や健康状態に合わせた献立考案、調理業務とその管理栄養・食事指導
学校栄養教諭として、食に関する授業を担当、生徒に向けて個別の栄養・食事指導(別途栄養教諭の資格が必要)
介護施設年齢、栄養状態、噛む力、飲み込む力などの身体状況に合わせた献立考案と食事提供、調理業務とその管理
病院病状に合わせた栄養・食事指導(管理栄養士が中心となることが一般的)入院患者の配食、調理管理
食品メーカー、外食企業メニュー考案、新商品開発

月給・年収・給与

10人以上在籍している事業所を対象にした厚生労働省の2021年の調査で栄養士の平均給料を見ると、月給は各種手当て込みで25万5,500円、賞与・ボーナスの平均は60万9,600円、年収にすると367万5,600円程度です。調査対象者の平均年齢は37.4歳です。短時間勤務の場合の時給の平均は1,783円と、一般的なパート勤務の仕事より少し高めの水準となっています。また、初年度の平均年収(年齢20〜24歳で経験0年の栄養士の年収平均)は、246万7,600円となっています。

栄養士の給料相場
年収367万5,600円
月給25万5,500円
賞与・ボーナス60万9,600円
初任給20万1,900円
時給1,783円

「令和3年賃金構造基本統計調査」より

適性・向いている人

栄養士は食と栄養の専門家ですから、食べることや料理が好きな人が向いています。人の身体や健康に興味を持ち、食と健康を結びつけて興味を持てることも大切です。きれい好きで衛生面で配慮ができることも適性のひとつです。栄養指導やチームで動く上ではコミュニケーション能力や協調性も欠かせません。栄養素に関する細かい計算が必要になるので、数字を扱うことが苦にならないことも栄養士にふさわしい能力です。栄養学は日々進歩するので、資格をとった後も学び続けられる人は栄養士としてよりよい仕事ができるでしょう。

食べることに興味がある

栄養士は、食と栄養の専門家ですから、食べることに興味がなければ務まりません。食べることが大好きで栄養士を志したという人も多くいるでしょう。食べ物や栄養の知識だけでなく、どのように料理するのか、どんな人とどのように食べるのか、といった食の楽しさについても考える柔軟な思考力や好奇心がある人が向いています。職場によっては自分自身で料理をすることもありますから、料理が好きなことも大切な適性です。

人の体や健康に興味がある

栄養士は、健康を保つための食事を考え、それについて指導する役目があります。栄養吸収のしくみや、食と病気の関係について深い知識を持つ必要があるので、人の身体や健康について興味があることも重要です。また、調理場の衛生管理も担当することが多く、きれい好きで衛生的な環境を保つのが得意なことも必要な資質です。

コミュニケーション能力・協調性

栄養士は、他の栄養士や管理栄養士、調理師など、さまざまな職種の人と一緒に働きます。チームで協力して安全に働くために、必要なことを正しく伝えるコミュニケーション能力やお互いに気持ちよく協力しあう協調性が欠かせません。さらに、栄養・食事指導では、栄養の知識がない人にも、栄養や食事についてわかりやすく説明し、その人が実践できるように促すことが必要になります。わかりやすく説明する伝達力、コミュニケーション能力を磨いておくと役に立つでしょう。

計算や理論的な考察が得意

栄養士の仕事においては、必要な栄養素を入れてバランスのとれた献立をつくるために、細かな計算が必要な場面がよくあり、理数的な能力も必要です。理論的に考えること、細かく正確に計算できることは、栄養士の適性のひとつです。また、給食の食材調達では予算内で必要な食材を揃えることが必須ですから、細かいお金の計算が得意な人も向いています。

学習を続けていく力

摂るべき栄養の基準は、研究が進むにつれて変化していきます。栄養士も、資格をとったらそれで終わりではなく、最新の情報にふれて必要な勉強をして、知識をつねにアップデートしていくことが大切です。就職した後にも、日々学習を続けて、知識を更新していく努力を続けられる姿勢が求められます。

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