臨床心理士の試験【2022年】 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2023年2月1日更新

臨床心理士の試験【2022年】

臨床心理士になるためには、日本臨床心理士資格認定協会による資格認定試験に合格する必要があります。臨床心理士試験は年1回で10月~11月に実施されます。合格率はおよそ60〜65%で十分な準備が必要です。臨床心理士試験は年1回で10月~11月に実施されます。2021年の合格率は64.5%でした。

臨床心理士試験

試験日年1回10月~11月
受験資格指定大学院の修了、専門職大学院の修了、諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴と心理臨床経験2年以上、医師免許取得および心理臨床経験2年以上
受験料なし※申請書類の取り寄せ一部あたり1,500円
試験会場一次試験:東京ビッグサイト、二次試験:東京国際フォーラム
合格発表12月下旬
合格率60〜65%

今回の 教えてグッピー臨床心理士 では、臨床心理士の資格を取るための試験について、日程や試験内容、過去の合格率・難易度のデータなど、試験に関する情報を紹介します。

臨床心理士の資格を取るには

臨床心理士として働くためには、臨床心理士養成のための指定学校を修了し、日本臨床心理士資格認定協会(以下、協会)の試験に合格する必要があります。なお臨床心理士資格は民間資格であり、国家資格ではありません。1988年に臨床心理士の資格が生まれたあと、2018年から公認心理士という国家資格ができました。これらの職業範囲は互いに重複している部分が多く、将来的には差別化・統合などの動きがある可能性もあります。

臨床心理士試験は年1回で2月に実施されます。合格率はおよそ60〜65%で十分な準備が必要です。

臨床心理士になるには

臨床心理士試験の受験資格

臨床心理士資格認定試験を受験するためには指定の養成大学院を修了する必要があります。あるいは医師免許を有している場合は、心理臨床を2年以上経験することで受験資格を取得できます。 具体的には以下のいずれかを満たしている必要があります。


・指定大学院(1種または2種)を修了し、所定の条件を充足している者
・臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
・諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
・医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者

臨床心理士試験の試験内容

臨床心理士の試験は一次試験と二次試験があります。一次試験は、100題のマークシートによる「多肢選択方式試験」(2時間30分)と、定められた字数の範囲内で論述する「論文記述試験」(1時間30分)の2種類を、1日ですべてを実施します。

二次試験は、2名の面接委員による「口述面接試験」で、受験者を個別に時間指定して実施されます。一次試験での「多肢選択方式試験」の成績が一定の水準に達している人に対してのみ実施します。

臨床心理士試験【2021年】の難易度・合格率

臨床心理士試験の合格率は60〜65%です。これを高いとみるか低いとみるかは人それぞれですが、一般的にはやや難しい試験と捉えられているようです。2021年の試験では受験者数1804人中、1,179人が合格。合格率は65.4%でした。

合格基準

資格審査の最終的な合格は、一次試験の「多肢選択方式試験」「論文記述試験」および二次試験の「口述面接試験」、これら3つの試験結果を総合的に判定し、決定されます。ただし、二次試験の受験資格は一次試験の「多肢選択方式試験」の成績に基づいて決定されます。二次試験の受験資格に「論文記述試験」の結果は判断されません。国家資格のように、合格のための明確な基準点は公開されておらず、また回答用紙が回収されるため自己採点も難しいとされています。

合格者数と合格率

2021年の試験では受験者数1804人中、1,179人が合格しました。過去20年の合格率はおおよそ60〜65%で推移しています。

臨床心理士試験 合格者数と合格率

日本臨床心理士認定協会「臨床心理士」資格取得者の推移より作成

難易度

試験の難易度を客観的に示すことは難しい面がありますが、受験資格取得の条件である大学院等の修了のほか合格率から判断すれば、やや高難度の高い試験だと言えます。

受験者数の推移

2021年の受験者数は1,804人でした。一時は3,000人近くが受験することもありましたが、直近10年ほどは毎年減少傾向にあり、直近の2年は2,000人を割っています。

臨床心理士試験 受験者数

日本臨床心理士認定協会「臨床心理士」資格取得者の推移より作成

臨床心理士試験【2022年】概要

2022年10月15日(土)、11月12日(土)〜14日(月)に実施された臨床心理士試験の概要です。試験は東京都内の試験会場で実施されました。合格発表は12月下旬です。

試験日

一次試験の試験日は、令和4年10月15日(土)です。二次試験の試験日は、約1ヶ月後の令和4年11月12日(土)〜14日(月)です。二次試験は、一次試験の結果に応じて行われます。

試験会場

一次試験の試験会場は、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)です。二次試験の試験会場は、東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)です。一次試験と二次試験で試験会場が異なることに注意してください。

合格発表

合格発表は、令和4年12月下旬の予定です。

解答発表

試験の解答発表はありません。国家試験などでは主催者側から解答が公表されることがありますが、協会からの公式な解答発表はありません。

受験料

受験料はありませんが、後述のとおり申請書類の取り寄せは一部あたり1500円が必要です。

受験手続き

臨床心理士試験の受験のためには、まず協会に申請して申請書類を受領します。書類請求には、郵便局備付の振替用紙に、「氏名」「住所(送付先)」とともに、通信欄に「申請書類希望」と明記して下記の口座に送金します。2部以上希望する場合は部数も記入します。振込金額は1部あたり1,500円です。

送金後1週間程度で申請書類が送られてきますので、必要な情報を記入して協会に送付しましょう。なお、書類の請求、受験申し込みにはそれぞれ指定の期間がありますので、必ず期間内に行いましょう。

臨床心理士試験(2022年)の受験手続き日程

振込用紙へ記入する情報振込用紙へ記入する情報 依頼人欄:氏名、住所(送付先)通信欄:『申請書類希望』、部数(2部以上の場合)
書類請求費用振込金額:1500円
振込先等は日本臨床心理士資格認定協会のHPに掲載
申請書類請求期間令和4年7月4日~令和4年8月12日
申請受付期間令和4年7月5日~令和4年8月31日(当日消印有効)

試験科目・出題数・試験時間

一次試験は、「多肢選択方式試験」(150分)と「論文記述試験」(90分)の2つの分野を、1日で実施します。「多肢選択方式試験」は、100題のマークシート形式です。臨床心理士として必要な専門基礎知識が中心です。内容は、広く心理学の基礎的設問に加えて、臨床心理士の基本業務である4種の内容(臨床心理査定・臨床心理面接・臨床心理的地域援助・それらの研究調査)に関する基礎的・基本的な専門知識が問われます。また、臨床心理士に関する倫理・法律等の基礎知識および基本的な姿勢や態度に関わる設問も出題されます。「論文記述試験」は、心理臨床に関する1題のテーマについて、所定の解答用紙に1,001字以上1,200字以内の範囲内で論述記載することが求められます。

二次試験は、2名の面接委員による「口述面接試験」で、受験者を個別に時間指定して実施されます。一次試験での「多肢選択方式試験」の成績が一定の水準に達している人に対してのみ実施します。 「口述面接試験」では、専門知識や技術の習得度、臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、専門家としての人間関係能力などが確認されます。具体的な配点は明かされていませんが、この試験は資格審査試験のなかでも重視されるようです。

出題内容と試験時間割

時間試験時間内容
一次試験多肢選択方式試験
(150分)
マークシート式100問
臨床心理士に関する専門基礎知識。
心理学の基礎、臨床心理士の基本業務(臨床心理査定・臨床心理面接・臨床心理的地域援助・それらの研究調査)に関する基礎的・基本的な専門知識や、臨床心理士に関する倫理・法律等について。
論文記述試験
(90分)
1,001〜1,200字で論述 心理臨床に関するテーマについて。
二次試験口述面接試験2名の面接委員による面接 知識・技術の習得度、臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、人間関係能力など。

資格交付・登録

資格審査に合格すると合格通知を受け取ります。所定期日までに資格認定証書の交付手続きを完了した人に対して、協会から「臨床心理士」の資格認定証書と携帯用の身分証明書として本人の顔写真を貼付した資格登録証明書(IDカード)が発行されます。資格審査試験に合格し、この手続きを完了して初めて最終的な資格認定となります。

資格認定後は臨床心理士有資格者の公告がなされます。公告とは公共機関が何らかの情報を広く告知することです。この過程で、「日本臨床心理士名簿一覧」に氏名などの情報が登録され、大学、研究所、関係官庁などの関係機関に送付されます。

臨床心理士試験の勉強方法

臨床心理士試験の対策は、一次試験と二次試験で異なります。一次試験は、筆記、論文記述ともに過去問を繰り返すことが非常に有効です。二次試験の面接では専門知識についても問われますから、インプットした知識を口述する練習が必要となります。

一次試験:過去問を中心にアウトプット中心の学習

多くの資格試験と同様、過去の問題集を繰り返し解くことは非常に効果的です。年度の新しい問題から直近の5〜10年程度の問題を解いていくとよいでしょう。解説もしっかりと理解し、わからないことがあったらテキストなどに戻って確認します。年度の古い問題では法律などが変わっていて最新の事情と齟齬がある場合もありますが、こうした問題もスルーせず、どのように変わったのかを学習していくと理解が深まります。 論文記述試験も過去問に掲載されています。時間を測って、原稿用紙に記述する練習をしておきましょう。模範回答を確認し、構成や論理的な整合性を辿って思考の過程を整理しましょう。可能であれば周りの人に添削してもらいましょう。

二次試験:面接対策では言語化の練習

二次試験を受験できる時点で基礎知識は十分に備わっているはずですが、頭で理解することと、それを言語化することは別の技術です。問題集やウェブの質問例に対して、自分なりの回答を声に出して練習しましょう。難しい場合は回答例を読み上げる練習をしてもいいですが、目的は回答を暗記することではなく言語化であることを念頭において練習しましょう。そうすることで、想定していない質問に対する対応力を身につけていきましょう。人に聞いてもらってアドバイスをもらったり、自分で録音して聞き返しながら練習するのも有効です。

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