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2023年3月29日更新

医療事務になるには

医療事務職は病院やクリニックなどで事務や受付業務を担当する職種です。就業に必須な資格はありませんが、医療業界に特有な専門用語や制度の中で仕事をするため、まったくの予備知識なしに医療事務として働くことは容易ではありません。そのため資格を取得するなどしてあらかじめスキルを習得してから就業する人も少なくないようです。

医療事務になるには

今回の教えてグッピー医療事務では、医療事務の仕事に就く方法や医療事務の仕事内容、給料などについて解説します。

医療事務に必要な資格・試験

医療事務になるために必要な資格や学歴などはなく、資格を持たなくても医療事務として働くことが可能です。専門学校や大学の卒業後に就業する場合のほか、高校卒業後に就職するケースもあります。

就職して現場で学べることは多いですが、医療事務は、医療機関に特化した業務、診療報酬制度や医療保険制度といった専門知識が必要となります。そのため「医療事務実務士」「療報酬請求事務能力認定試験(医科・歯科)」など、医療事務に関連する知識や技術を学べる民間資格が複数あります。就職や昇給においては、こうした資格を持っているほうが有利になる場合があります。

医療事務を養成する専門学校・学費

実際に医療事務として働いている人の中には、高校卒、専門学校卒、大学卒などさまざまな学歴の人がいますが、医療事務になるために修了が必須の学校はありません。しかし医療事務に必要のスキルを独学で身につけるのは容易でないことです。

このような背景から、医療事務関連スキルを習得するための専門学校に通う人もいます。1〜2年制のコースで、業務上必要な知識を習得したり、就職に有利になる資格を取得したりすることができます。

専門学校で医療事務を学ぶ場合、年間の費用としておおよそ70万〜100万円が相場になっています。地域や学校、コースによって異なるため、各学校の公式サイトや資料請求にて確認することをおすすめします。

医療事務の就職先

医療事務職の多くは、病院や診療所などの医療施設で働きます。雇用形態としては、正社員、契約社員、パートなどさまざまです。最近では在宅ワークの求人も少しずつ増えているようです。

病院・クリニック

多くの医療事務職に就く人は病院やクリニックで働いています。入院患者を20人以上受け入れることができる医療施設を病院、19人未満や入院患者を受け入れない医療施設をクリニックと言います。簡単に言えば、ある程度規模が大きければ病院、小さければクリニックです。

医療事務は、受付業務、患者情報の管理、レセプト業務などを担当します。総合病院や大学病院といった大きな医療施設においては、診療科ごとに受付がある、病棟クラーク業務があるなど、クリニックより分業化されている傾向があります。

調剤薬局

調剤事務で働く医療事務もいます。調剤薬局とは、医師に処方された薬剤(保険調剤)を扱う薬局のことです。保険証の確認、処方せんの入力や会計、レセプト作成などが主な業務です。病院やクリニックと異なり、薬剤師と関わって仕事をすることが多くなります。医療事務とは別に、調剤事務にも専門の民間資格があります。

医療事務の仕事内容

主な業務内容としては、受付業務、レセプト業務などがあります。細かい業務が多く、作業の正確さやマルチタスクをこなせる器用さが求められます。

受付業務

患者の来院時には、医療事務職が受付業務を担当します。受付といっても、患者を案内するだけではありません。患者情報の登録・確認、問診票の確認、診断書作成などの書類受付、診療予約の調整など、非常に幅広く行います。診療以外の患者対応はほとんど医療事務の仕事と考えてもよいかもしれません。

レセプト業務

医療事務の最も重要な仕事の一つがレセプト業務です。レセプトとは医療施設が健康保険組合に請求する医療報酬の明細書のことで、診療報酬明細書ともいいます。保険が適用される診療においては、医療費の患者負担は実費の1〜3割で、残りの金額は患者が加入している健康保険組合が負担します。医療施設側から保険組合に請求する際、医療費の内容を詳しく記載した明細書の提出が必要となります。これがレセプトです。 レセプト業務は、レセプトを作成し請求先に送るという大切な仕事です。レセプトは医療施設にとって最も大きく重要な収入源ですから、レセプトを作成する医療事務には確実な処理が求められます。

クラーク業務

クラーク業務は入院患者と医療従事者、あるいは医師と看護師のような医療従事者間の架け橋的な業務です。ナースステーションに常駐する病棟での受付業務と考えるとわかりやすいかもしれません。入院患者情報の整理や会計業務などを行います。入退院の手続きの説明などを、患者さんと医療スタッフの間に入って、連絡・調整していきます。

医療事務の月給・年収・賞与(ボーナス)

厚生労働省によれば医療事務の平均年収は約439万7,300円で、月収では約30万200円です。賞与は約79万5,000円です。医療事務は年齢とともに収入が上がりやすい傾向があり、スキルや経験次第で平均年収以上を目指すことも可能です。

医療事務の給料相場
年収423万7,300円
月給30万200円
賞与・ボーナス79万5,000円

令和3年度 賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」より集計

適性・向いている人

医療事務は、細かい作業ができる正確性、人と接することが苦にならないコミュニケーションスキルを持っている人に適性があります。仕事を選ぶうえでは、自分自身がどのような能力や興味を持っているかを見極め、自己分析をすることが重要です。もし苦手な部分があっても、それを自覚して補うことができれば障害にはならないかもしれません。

正確性

医療事務職は、レセプト作成や患者情報の管理など、情報を入力したり整理したりといった細かい作業が求められます。膨大な書類やデータの処理が必要なため、繰り返し作業をすることが多くあります。長時間の作業でも集中力を切らさず、ミスを最小限に抑えられるような人は医療事務にぴったりです。

コミュニケーション能力

医療事務職は、患者やその家族、医師、看護師、薬剤師といった医療従事者など多くの人と接する機会があります。そのため丁寧な言葉づかいや、明るい応対、傾聴といった基本的なコミュニケーションがある人には向いているかもしれません。

向上心

医療事務では覚えなくてはいけないことがたくさんあります。診療報酬は2年ごとに改訂されるため、そのたびに頭の中にある情報を更新しなくてはいけません。また表計算ソフトや医療業界に特化したソフトウェアを扱うこともあるため、基本的なパソコンスキルについても習熟する必要があります。新しい知識を取り入れることが好きな性格の人は医療事務でもうまくやっていけるでしょう。

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