看護師の国家試験|受験資格、合格率・難易度を調査 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2021年11月17日更新

看護師の国家試験|受験資格、合格率・難易度を調査

看護師国家試験は、合格すると看護師免許が取得できる国家試験です。年1回、2月中旬の日曜日に実施されます。合格発表は3月下旬です。国家試験の受験資格は、看護師養成課程のある大学や短大、専門学校で学び、卒業することで得られます。試験会場は、全国12都道府県の大学や会議場を使って設置されます。合格率は毎年90%前後で推移しています。

2021年の試験では、66,124人が受験し、合格者は59,769人。合格率は90.4%でした。受験者数は増加傾向にあり、同年は前年より556人増えています。

看護師国家試験

試験日年1回2月中旬
受験資格学校のカリキュラムを修業し卒業
受験料5,400円
試験会場全国12都道府県に設置
合格発表3月下旬
合格率90%前後
合格基準必修問題は80%以上。一般問題と状況設定問題は相対基準で毎年変更

看護師になるまで

看護師になるには、看護師養成コースのある学校を卒業し、看護師国家試験に合格することが必要です。学校には、4年制の大学、3年制の短期大学、4年制の専門学校、3年制の専門学校、中学校卒業後に入学する5年一貫看護師養成課程校があります。看護師国家試験は学校の最終学年の2月に受験します。国家試験に落ちてしまった場合は、翌年以降に再挑戦することができます。

看護師になるには

受験資格

国家試験には受験資格があり、独学の勉強では受験できません。高校卒業後に、看護師を養成する学校に入学し、必要なカリキュラムを全て修めて卒業すると(卒業見込み含む)、受験資格を得ることができます。看護師の養成校には、4年制の大学、3年制の短期大学、3年制または4年制の専門学校があります。中学卒業後に5年一貫教育の看護師養成校で学び卒業することでも受験資格が得られます。

また、准看護師の免許をもって3年以上業務に従事し、指定の学校で2年以上学んだ人も看護師の受験資格があります。外国の看護師学校を卒業した人や外国の看護師免許を持っている人では、厚生労働省より受験資格を満たしていると認定されると、受験資格を得られます。

そのほか、経済連携協定(EPA)により、インドネシアやフィリピン、ベトナムから来日し、研修を受けて就労している外国人看護師候補者も、厚生労働省から個別に受験資格を満たしていると認定されることで受験することができます。

国家試験

国家試験は年1回、2月中旬の日曜日に行われます。すべてマークシートによる選択式で、11科目全240問が出題されます。合格発表は3月下旬に行われ、厚生労働省のホームページに掲載されます。受験料は5,400円です。合格したら、申請して免許を取得することで看護師として働くことができます。

看護師国家試験の数日前には、保健師と助産師の国家試験が行われます。受験資格がある人は同時に受験することができます。保健師・助産師の教育プログラムのある大学では、必要な課程を修めることで看護師国家試験の受験資格と、保健師または助産師の国家試験の受験資格を同時に得られます。

【2022年】看護師国家試験の概要

2022年2月に実施される第111回看護師国家試験の概要を説明します。試験は、2月13日(日)に、東京都や大阪府など、12の都道府県で行われます。午前と午後2時間40分ずつあり、計240問が出題されます。合格発表は3月25日(金)午後2時で、厚生労働省ホームページで確認できます。

試験日

2022年実施の第111回看護師国家試験は、2022年2月13日(日)に行われます。

試験会場

試験は北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県の全国12都道府県で行われます。専門学校や大学、会議場などが会場となります。多くの都道府県で複数の会場が設置されます。

合格発表

第111回看護師国家試験の合格発表は、2022年3月25日(金)午後2時です。厚生労働省のホームページの「資格・試験情報」ページに受験地と受験番号が掲載されます。

解答発表

国家試験の正答は、合格発表と同時に厚生労働省のホームページで公表されます。出題が不適切であったり、誤りがあった場合には、採点除外や全員正解などの処置がとられることがあります。試験直後に予備校などが解答速報を行うことがありますが、非公式のものです。

受験料

受験料は5,400円です。受験願書に収入印紙を貼って納付します。受験書類が受理された後は、受験を取りやめても受験手数料は返還されません。

受験手続き

受験手続きをするには、受験願書と写真、返信用封筒、修業証明書や卒業証明書、卒業見込証明書などが必要になります。

第111回(2022年実施)看護師国家試験の受験手続き日程

受験概要発表2021年9月上旬
願書配布時期2021年10月中旬以降
願書等受験書類の受付期間2021年11月12日(金)~12月3日(金)
受験票の交付2022年1月中旬発送予定
試験2022年2月13日(日)
合格発表2022年3月25日(金)午後2時
受験書類・受験願書
・写真
・切手を貼った返信用封筒
・修業証明書、修業見込証明書、卒業証明書、卒業見込証明書など、指定学校での修業を証明する書類
(指定学校卒業以外の資格で受験する場合は、その資格に必要な書類が必要)

試験科目・出題数

試験科目は、「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」「基礎看護学」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「在宅看護論」「看護の統合と実践」の11科目です。解答はマークシートによる選択式の出題のみです。

出題は、「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」の3種類に分かれます。必修問題は50問出題され1問1点。一般問題は130問出題され1問1点、状況設定問題は60問出題され1問2点です。

試験科目人体の構造と機能
疾病の成り立ちと回復の促進
健康支援と社会保障制度
基礎看護学
成人看護学
老年看護学
小児看護学
母性看護学
精神看護学
在宅看護論
看護の統合と実践

試験時間

試験は、午前と午後に分かれて行われます。それぞれ2時間40分ずつ、合計5時間20分です。

試験時間と出題数

時間出題区分出題数試験時間
午前9時50分~12時30分必修問題25問2時間40分
一般問題65問
状況設定問題30問
午後14時20分~17時必修問題25問2時間40分
一般問題65問
状況設定問題30問

試験委員

試験委員は、決められた試験基準を踏まえて問題を作成します。2022年実施の第111回看護師国家試験の試験委員は、委員長1名、副委員長3名、委員72名で構成されています。厚生労働省のホームページで委員名簿を確認することができます。

第111回看護師国家試験 試験委員名簿

委員長森真喜子
副委員長朝倉京子、浅見恵梨子、鈴木良美
委員安達久美子、粟田美幸、石川紀子、大橋俊子、小黒道子、小澤千恵、梶山和美、川井真、木戸芳史、熊谷秀規、倉田貴子、五石圭司、河野政子、小西かおる、小林京子、小松﨑麻紀子、佐居由美、佐々木美奈子、佐藤奈保、佐藤陽子、佐山理絵、滋田泰子、習田明裕、城島哲子、丞々美香、菅原真優美、鈴木知代、田口敦子、田代真理、田中美央、都筑千景、坪川トモ子、鳥本靖子、中込さと子、長堀隆一、永松健、名取初美、波川京子、野崎真奈美、野村美香、萩原直美、橋本尚詞、服部律子、原田小織、原田美由紀、冷水陽子、平井由児、平山香代子、藤井ひろみ、前田ひとみ、増島麻里子、松田千登勢、松永佳子、三木明子、操華子、水方智子、三森寧子、森田牧子、山﨑圭子、山下公平、山田かおる、山田智子、山田緑、山本賢司、山本裕子、横川博英、横島啓子、横山悦子、横山徹爾、吉田千文、渡邉京子、渡辺美保子(五十音順)

国家試験の合格率

看護師国家試験の合格率は、毎年90%前後で推移しています。2021年の受験者は6万6,124人、合格者は5万9,769人。合格率は90.4%でした。合格基準は問題によって異なります。1問1点で50問出題される必修問題は40点以上の得点が必要です。1問1点で130問出題される一般問題と1問2点で60問出題される状況設定問題は、毎年合格基準が変わります。

合格基準

看護師国家試験の合格基準は、必修問題と、一般問題・状況設定問題で異なる基準が設定されます。必修問題の合格基準は80%以上の得点、一般問題と状況設定問題の合格基準は、毎年変動します。2021年に実施された第110回の国家試験では、1問1点の一般問題130問と1問2点の状況設定問題60問、あわせて250点中、159点が合格基準となりました。

問題設問数配点合格基準
必修問題505080%以上
一般問題130130相対基準で毎年変わり、例年得点率が60~70%以上。
2021年実施の試験では159点(得点率63.6%)以上。
状況設定問題
(長文問題)
60120
合計240300

合格者数と合格率

看護師国家試験の合格率は90%前後あり、高い合格率といえます。毎年5万人以上の看護師が誕生しており、2021年は合格率が90.4%あり、66,124人が受験して59,769人が合格しました。学校卒業と同時に受験した新卒者のみの合格率は、95%前後と高いです。

看護師国家試験の合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

難易度

合格率は毎年90%程度ありますが、学校の勉強をしっかり受けて、対策する必要はあります。必修問題は80%以上の正答が必要で、50問中10問しか間違えることができません。また、一般問題と状況設定問題は、毎年合格基準が変わるため、「これだけできればよい」という目標が立てにくい点で難しさがあります。合格するためには、学校で学んだ内容全体を幅広く身につける必要があります。

受験者数の推移

受験者数は、2015年以降は毎年6万人以上が受験していて、増加傾向にあります。2021年の第110回看護師国家試験では、66,124人が受験。前年よりも556人増加しました。

歯科衛生士国家試験受験者数

厚生労働省発表資料より

国家試験の勉強方法

国家試験に合格するためには、学校での学習だけでなく、出題傾向に合わせた勉強も必要です。多くの学校では、国家試験対策の授業や補習、模擬試験を組み込んでいます。

国家試験対策に多くの学生が活用しているのが過去の問題集です。直近数年間に実際に出た問題を解くことで出題の傾向の理解が進み、領域や科目、出題形式などについて、自分の弱点を知ることもできます。冊子になった問題集はもちろん、最近では国家試験対策アプリでも過去問を解くことができます。

国試模擬試験

看護師養成学校の多くでは、国家試験の模擬試験を取り入れています。国家試験は、問題数が多く、時間配分を考えながら解かないと、最後に時間がなくなってしまうこともあります。本番の試験と同じように試験に臨むことができる模擬試験は、自分の実力を知ると同時に、時間配分の感覚を養うのにぴったりの対策です。模擬試験は受けて点数を確認するだけでなく、復習することが重要です。できなかったところから自分が弱い分野を把握し、力を入れて勉強する分野を決め、本番の試験までの勉強計画に役立てることができます。

国試問題集

国試過去問題集は、過去に実際に出た問題を集めています。出題傾向や形式がわかるほか、自分の苦手な分野を発見することもできます。実施回別に編集されているものや、出題分野別に編集されているものなど、さまざま発刊されています。

国試過去問アプリ

国試対策にはアプリも便利です。書籍のようにかさばらないスマートフォンのアプリは、移動の途中や授業と授業の間など、ちょっとした時間に勉強ができます。間違えた問題を絞り込んだり、ほかの学生の正答率がわかったりと、紙の本にはない機能が備わってるものも多くリリースされています。

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