臨床検査技師になるには?資格取得のルートや仕事内容を紹介 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2024年2月28日更新

臨床検査技師になるには?資格取得のルートや仕事内容を紹介

臨床検査技師になるには、まず大学、短大、養成学校などで3年以上指定されたカリキュラムを修めて卒業し、国家試験の受験資格を取得します。国家試験を受験して合格し、厚生労働省の臨床検査技師名簿に登録されることで、臨床検査技師になることができます。

臨床検査技師になるには

今回の 教えてグッピー臨床検査技師 では、臨床検査技師になるための試験、学校や学費、仕事内容・適性などをまとめています。

臨床検査技師の資格を取るには

臨床検査技師に必要な資格を取得するためには、臨床検査技師国家試験に合格して、臨床検査技師名簿に登録される必要があります。国家試験は年に1回、例年2月中旬頃に実施されています。

臨床検査技師 国家試験合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

臨床検査技師の養成校・学費

臨床検査技師の国家試験を受けるためには受験資格を得る必要があります。臨床検査技師は資格成立の経緯から、資格取得の方法には複数ありますが、いずれにせよ3年制または4年制の教育過程を修了する必要があります。

学費については、国公立の場合は入学金28万2,000円、年間の授業料53万5,800円です。一方、私立の大学・短大の場合は学校によって異なり、入学金は25〜30万円、年間の費用(授業料、設備費、実習費など)は約140〜170万円がおおよその相場です。また専門学校の場合、入学金10〜20万円、授業料などの年間費用は約100〜120万円ほどです。医学部・歯学部の学費はここでは割愛しますが、私立の場合は上記以上の費用が必要になります。

臨床検査技師の就職先

臨床検査技師の就職先には、病院、クリニック、臨床検査センター、臨床研究コーディネーター(CRC)などがあります。

病院、クリニック:来院患者の臨床検査を実施

病院やクリニックでは主に来院患者・入院患者の臨床検査に携わります。環境にもよりますが幅広い検査技術や知識が求められます。医師や看護師を含む医療チームで患者の治療に関与できる職場です。大きな病院では、100人以上の臨床検査技師が所属している場合もあります。なお病院とクリニックの違いですが、入院患者用のベッドが20床以上あれば病院、20床未満の場合はクリニックです。

臨床検査センター:地域の医療施設から集めた検体を検査

検査機器には非常に多くの種類がありますが、医療施設はあらゆる検査機器を所有できる訳ではありませんし、検査自体が特殊で所属している臨床検査技師が検査できないこともあります。臨床検査センターでは、こうした自前で検査できない施設から検体を預かり、代わりに検査を実施します。各種の検査が正確に分析されているか、常にデータを確認するとともに、医師や病院からの検査に関する問い合わせにも対応します。

医療機器メーカー:機器の安全管理・保守点検など

医療機器メーカーでは、検査に必要な各種医療機器の開発や安全管理、保守点検・試料の品質管理などを行っています。また、全国のどの病院、どの検査センターで検査を行っても常に同じ結果になるように、検査の標準化にも取り組んでいます。機器のスペシャリストを目指すなら医療機器メーカーを目指すという選択肢もあります。

臨床研究コーディネーター(CRC):新薬開発のための治験業務

治験とは開発薬の有効性・安全性を確認する臨床試験のことです。CRCは、知見において倫理的・科学的な信頼性を担保するため、試験の手順や正当性、被験者の同意など、治験が適切に実施されているかの確認などを行います。さらに試験データの記録、症例報告書の作成など、治験の開始から終了までを幅広く支援する専門職です。創薬に関わりたいのであればここでしょう。

臨床検査技師の仕事内容

臨床検査業務

臨床検査技師の仕事内容は主に患者の検査です。検査をすることで、疾患の兆候を見つけたり、医師による診療の判断材料としたり、病状の進行程度を確認したりします。よく用いられる検査分類として、検体検査と生理機能検査があります。検体検査は、人体から採取した検体(血液、尿、糞、組織、細胞など)に含まれる微生物やタンパク質などの量や種類を調べます。微生物学的検査、血液学的検査、病理・細胞診検査、遺伝子・染色体検査などがあります。生理機能検査は患者の身体から直接情報を記録して、身体の状態を調べます。超音波検査、心電図検査、脳波検査、聴力検査、MRI検査、眼底写真検査などがあります。

その他の業務

検査業務以外にも、検体の採取、患者への検査説明、機器のメンテナンスなどをすることもあります。

月給・年収・給料

令和3年の賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によれば、臨床検査技師の平均年収は約496万4,600円で、月収では約33万7,800円です。臨床検査技師の賞与は平均で約91万1,000円です。多くの職業と同様、一般的な傾向として、経験年数が長いほど、施設規模が大きいほど、給与水準は高くなります。

臨床検査技師の給料相場

年収約496万円
月給約34万円
賞与・ボーナス約91万円
初任給22万400円
時給約2,000円

令和3年賃金構造基本統計調査

適性・向いている人

臨床検査技師は検査業務という正確性が求められ医療の質に関わる業務を担います。また日々進歩する知識や技術を習得する向上心も求められます。

向上心

臨床検査は新しい技術や機器が日進月歩で現れる分野で、日々の勉強は欠かせません。また、臨床検査業務の中には資格が必要な場合があります。医療の進歩にともなって臨床検査の種類は幅広く多彩になっており、非常に専門性が高くなっています。こうした専門性を保証するため「一級臨床検査士」「認定輸血検査技師」といった認定資格制度があり、これらの資格がなければ携わることができない業務も少なくありません。多くの臨床検査技師は、スキルアップのために日々の業務や学習を通じて知識・経験を深めていきます。「臨床検査技師国家資格」の取得は、まさにスタートラインなのです。

マルチタスク・柔軟性

臨床検査業務においては、次から次へと検査依頼が舞い込んできます。依頼順通りに進めるだけではなく、時には後からきた重要性の高い検査を優先したり、検査結果を待つ間に別の検査の準備をこなしたり、段取りを組みながら柔軟に対応するスキルが問われます。検査機器の故障、機器の順番待ち、検査のやり直しといったトラブルも日常的に起こります。こうした際にパニックにならず段取りを組み直したり関係者に説明したりといった、冷静かつ柔軟な対応力が求められます。

観察力・緻密さ

臨床検査は様々な医療機器を用います。検体の量や試薬の量、機器の設定などを取り違えてしまうと適切な結果が得られません。あらゆる仕事にヒューマンエラーはつきものですが、エラーに気づく観察力やエラーを減らすために緻密な作業が必要になります。特に医療現場におけるミスは患者の不利益に直結し、場合によっては命に関わるようなケースもあるでしょう。こうしたエラーを極限まで減らすこと、もしエラーがあっても気がつくことができる観察力は臨床検査技師にとって非常に重要な素養です。

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