助産師になるには?最短で資格をとるルートや看護師から目指す方法 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2022年7月6日更新

助産師になるには?最短で資格をとるルートや看護師から目指す方法

助産師になるには、助産師国家試験に合格する必要があります。助産師国家試験の受験資格は、看護師の資格を取得したうえ、助産師養成コースで1年以上学ぶことで得られます。大学の看護学部や4年制の専門学校では、決められた課程を修了すれば、卒業時に看護師と助産師の国家試験受験資格を得られるので、ダブル受験も可能。最短4年で国家資格を取得できます。また、3年生の短期大学や専門学校を修業したうえ看護師資格を取得し、1年制の助産師養成学校で学び助産師になる最短ルートもあります。

助産師の国家試験は年に1回、2月に行われ、試験日は看護師の国家試験の数日前であることが多くなっています。合格率は98%以上です。

日本では、助産師になれるのは女性だけと決められています。 助産師になるには

助産師に必要な資格・試験

助産師は、看護師の資格に追加して取得する国家資格です。看護師の資格を取得したうえ、助産師養成コースで1年以上学ぶと助産師国家試験の受験資格が得られ、国家試験に合格すると助産師資格を取得できます。助産師養成コースをもつ4年制の看護師養成学校で必要な課程を修めると、卒業時に看護師と助産師の国家試験の両方を受験することができます。

免許は更新制ではなく、不正などを行わない限り一生涯保持できます。看護師は男女ともになれますが、助産師になれるのは女性のみです。

助産師国家試験は年1回、2月中旬に行われます。看護師国家試験が行われる数日前に実施されることが多くなっています。合格発表は3月の下旬です。合格率はほとんどの年で98%以上と高い水準で推移しています。

受験者数は2,000人あまりでここ数年安定しています。2022年の試験では、2,089人が受験し、2,077人が合格、合格率は99.4%でした。大学や専門学校を卒業と同時に受験した新卒者のみのデータを見ると、概ね合格率は99%を超えています。2022年の試験では、2,078人の新卒者が受験して 2,071人が合格、合格率は99.7%でした。不合格の場合は、翌年以降の試験で再受験ができます。

助産師国家試験合格者数と合格率

厚生労働省ホームページより

助産師を養成する大学・学校

助産師になるためには、看護師の資格を取得し、1年、またはそれ以上の期間、助産師養成課程で学んで、助産師国家試験に合格する必要があります。助産師養成コースも設置している看護師養成の大学や4年制の専門学校では、学校を卒業するときに、看護師と助産師の両方の国家試験を受験することができます。助産師養成コースの受講は選抜制となることが一般的で、学業の成績が伴わないと希望しても受講できないことも多くなっています。

2022年4月時点で学生募集をしている助産師課程をもつ大学は、国立が21大学、公立が16大学、私立が45大学の合計82大学です。

他に大学院は、国立が17、公立が10、私立が19、合計46大学院、看護師資格を取得した後で入学できる大学専攻科が28、大学別科が12、短期大学が3、専修学校が1あります。大学院や大学専攻科は大学の卒業者のみが入学できます。

短期大学や専門学校の卒業者は短期大学の専攻科や大学別科、助産師学校・養成所に進学することが一般的です。大学院では、2年間かけて理論や研究の手法も学び、修士の学位を取得することができます。

学費

看護学部の卒業までの学費は、4年制の国公立大学の看護学部で250万円程度、私立大学で450万円~700万円程度です。

大学院は2年間で、国公立は135万円程度、私立は200万円〜350万円程度、大学の専攻科が1年間で、公立で70万円程度、私立が100万〜180万円程度です。学校によっては、学納金とは別に実習費などがかかる場合もあります。

看護師から助産師になるには

看護師資格を持つ人が助産師になるには、助産師養成課程のある学校で学び、国家試験を受験のうえ助産師の資格をとる流れになります。大学の卒業者であれば大学院や大学専攻科、短期大学や専門学校の卒業者は、短期大学の専攻科や大学別科、助産師学校・養成所で学び、助産師国家試験の受験資格を得るルートが一般的です。

助産師の就職先

助産師の就職先の61.5%が病院です。助産師は2020年のデータでは37,940人登録されており、そのうち23,321人が病院で働いています。産婦人科のある病院で、外来での妊婦の定期健診のサポート、出産前の指導、分娩の介助、産後の母親と新生児のケアなどを行います。8,562人は診療所に勤務しています。診療所とは入院用ベッドが19床以下の施設を指し、病院よりも規模の小さい地域の産婦人科の診療所での仕事です。

助産師には開業権があり、病院や診療所で一定の経験を積んだ後、自分の助産所を開く人もいます。すべてが経営者とは限りませんが、助産師全体の6.2%にあたる2,369人が助産所で働いています。

また、保健所や市区町村で、妊婦や母子のケアや相談業務にあたる助産師や、助産師を養成する学校で教壇に立つ助産師もいます。

(助産師の就職先グラフ)厚生労働省「令和2年衛生行政報告例」より

仕事内容

助産師の仕事の基本は、妊産婦、新生児のケアです。妊娠中には妊娠の経過を確認し、正常な妊娠であれば病院や診療所でも妊婦健診を担当することも多くなっています。妊娠中は体調が変化したり、精神的に不安定になったりすることも多く、専門家として相談にのったり、アドバイスをしたりもします。

出産時には、陣痛を緩和し励ましながら分娩介助を行い、臍の緒を切ることもできます。看護師のみの資格では分娩の介助はできません。出産後は体調観察、相談、新生児のケアを行い、授乳や入浴等、基本的な育児の指導も行います。

助産師には開業権があり、一定の業務経験を積むと助産所を開くことができます。助産所では、正常な分娩を取り扱うことができ、より自然なスタイルの出産など、きめ細かなニーズに応える事例が見られます。

また、妊産婦に限らず、児童・生徒の性教育や、幅広い年代の女性の健康相談・指導などにも、助産師の専門知識と技術が活かされています。

助産師の仕事内容

妊娠中のケア・正常な妊娠での妊婦健診
・妊娠中の体調管理指導・悩み相談
・出産準備教室・授乳準備指導
出産時のケア・妊婦と胎児に異常がないか観察
・陣痛を緩和するマッサージ、精神的な寄り添い
・赤ちゃんを受け止め臍の緒を切る
・異常がある場合は医師に連絡
出産後のケア・母親の体調観察・相談、新生児のケア
・授乳方法・赤ちゃんの抱き方や入浴方法の指導・育児相談
・家族の指導
その他・学校での性教育
・幅広い年代の女性の健康指導

助産師の年収・月給・給料

助産師の平均給料は、月給が各種手当て込みで38万7,600円、賞与・ボーナスの平均は88万7,600円、年収にすると553万8,800円程度です。短時間勤務の場合の時給の平均は2,018円と、一般的なパート勤務の仕事より高めの水準となっています。初任給としての調査結果ではありませんが、20〜24歳で就業経験0年の助産師の平均月給を見ると、26万1,500円ですので、初任給はこの程度であると推察できます。

助産師の給与

年収553万8,800円
月給38万7,600円
賞与・ボーナス88万7,600円
時給2,018円
初任給26万1,500円
(20~24歳で就業経験0年の助産師平均月給)

(「令和3年賃金構造基本統計調査」より)

適性・向いている人

助産師は人に関心を持ち親身に寄り添える力が必要とされます。また新生児のケアも担うため、「赤ちゃんが好き」という思いはより良いサポートにつながります。妊娠・出産する女性のケアを適切に行うためには、異変を察する観察力、問題発見能力、また相手の心を開き話を聞き出すコミュニケーション力も必要になります。

医療現場で医師などの専門職と協力して働くための協調性や、いつ発生するかわからない出産のケアを担うため、体力や精神力の充実も適性のひとつです。助産師としての経験を積んでからも知識と技術をアップデートし続ける向上心と、社会的な視点を持つ姿勢が重要だと言えます。

人が好き、赤ちゃんが好き

助産師は妊産婦やその家族、生まれてくる赤ちゃんと関わる仕事です。人に関心を持ち、ふれあうことが楽しい、好きだと思えること、中でも「赤ちゃんが好き」という素養は大切です。妊娠期や産後は、女性は精神的に不安定になることもあるため、心のケアも助産師の大きな仕事であり、人の不安や苦しみに寄り添う力、気持ちを想像する力も大切です。

観察力・問題発見能力・解決力

助産師は、妊娠・出産をする女性に関わり幅広くケアをしていきます。女性の体は通常とは異なる状態に置かれ、特に初産の場合は、本人にも状況がわかりにくくなる場合があります。また、家庭や仕事など社会的な問題や悩みに直面する場面も増えます。本人も気づかないことを、助産師が観察していち早く問題に気づくことが必要であり、よりよい方向を探っていくことも助産師の仕事の一部です。

観察し問題を発見し、多方面を考えて解決をする力がある人は向いているといえます。助産師の学校や現場での経験により、こうした素養は伸ばすことができます。

協調性・コミュニケーション力

助産師は、医療機関で働く事例が多く、医師や看護師、その他の専門職と協力関係の上に業務が成り立ちます。チームで働く協調性と、連絡事項を正しくわかりやすく伝えるコミュニケーション力も必須です。また、妊産婦やその家族の指導においても伝える力は重要であり、悩みや問題点を把握するためのヒアリング力も必要になります。

体力・精神力がある

出産は曜日や時間を選んではくれません。日頃から夜勤のある勤務体制が一般的で、お産が複数件重なれば非常に忙しく、介助を担当する助産師は体力が求められます。健康管理をしっかりして体力を養うことは大切な姿勢です。また、出産では命の危険もあり、正常な出産だけを扱うわけではありません。どのようなことが起きても冷静に対処し、他の業務に支障をきたさない精神的な強さも求められます。

社会・世の中への興味

助産師は妊産婦、新生児のケア、お産の介助のほか、性教育や幅広い年代の女性の健康にも関わります。学校で性や避妊、生命について教えることもあり、地域で住民の相談にのることもあります。女性が生きるうえでは、社会的な問題、制度の問題にも直面します。社会制度や習慣も含めて世の中を広く知り、相談業務や指導を行い適切なアドバイスをするため、世の中のさまざまな分野に興味を持てることも適性のひとつです。

向上心

医療は日々研究され、進歩しています。妊娠や出産も同じです。助産師は専門家として、新しい医療を学び、自身の知識や技術を向上させていかなくてはなりません。助産師となった後にも、生涯学び続ける向上心が必要です。常に学び続けようという意欲を持てる人は、適性があるでしょう。

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