作業療法士の平均年収は?年齢別・規模別年収、月給や時給をチェック
作業療法士(OT)の給料は、平均年収が444万1,500円です。 月給は各種手当込みで31万1,400円程度、賞与は70万4,700円程度です。初任給の平均は24万6,300円と、一般大卒の初任給を超えています。アルバイトやパートの時給は2,423円が相場です。
下記の表は、年収のほか初任給、ボーナス、月給、時給などをまとめたデータです。
作業療法士の給料相場(令和6年)
| 作業療法士の給料相場(令和6年) | |
|---|---|
| 年収 | 444万1,500円 |
| 月給 | 31万1,400円 |
| 賞与(ボーナス) | 70万4,700円 |
| 初任給 | 24万6,300円 |
| 時給 | 2,423円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
この記事では各データの詳細を解説していきます。
目次
作業療法士の初任給
2024年の調査による作業療法士の初任給は24万6,300円(経験年数0年、20~24歳の調査データ)です。
この額にボーナス(2万900円程度)を含めた初年度の推計年収は297万5,500円となります。
下記は初任給の推移です。2010年からほぼ横ばいであるものの、近年は上昇傾向が見られます。
作業療法士の初任給(推移)
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
作業療法士の平均年収
作業療法士の平均年収は444万1,500円(令和6年、10人以上の組織)です。過去14年間で大きな変動はないものの、ゆるやかに増加傾向です。規模別に見ると、1,000人以上の組織が最も高い水準となっています。一般的には、給料は年齢とともに上昇し、50代後半でピークを迎える傾向があります。
規模別
下記は、作業療法士の年収を勤務先の規模別(所属人数)で見たグラフです。
1,000人以上の組織が486万1,000円と最も高く、次いで10〜99人規模が396万7,100円、100〜999人規模が382万2,000円となっています。すべての組織において年収はおおむね400万円前後で推移しており、組織規模による違いは、月給または賞与(ボーナス)の金額に大きく表れる傾向があります。
勤務先規模別 作業療法士の年収
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
年齢別
年収を年齢別でみると、「20~24歳」が344万7,300円で、その後年齢とともに増加します。30~40代は堅調に伸び、50代後半がピークとなります。
作業療法士の多くは医療・介護福祉施設に勤務しており、主な収入源は診療・介護報酬です。役職に就くなど施設ごとの給与体系に基づき年収は上昇します。
年齢別 作業療法士の年収
| 年齢 | 年収 |
|---|---|
| 20〜24歳 | 344万7,300円 |
| 25〜29歳 | 397万9,900円 |
| 30〜34歳 | 443万6,100円 |
| 35〜39歳 | 460万7,300円 |
| 40〜44歳 | 491万2,300円 |
| 45〜49歳 | 530万3,500円 |
| 50〜54歳 | 536万1,100円 |
| 55〜59歳 | 608万9,900円 |
| 60〜64歳 | 457万2,600円 |
| 65〜69歳 | 461万6,400円 |
| 70歳以上 | 409万4,700円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
平均年収の推移
作業療法士の平均年収の推移は、2010年から2024年まで緩やかに増加しています。
作業療法士 年収推移
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
作業療法士の月給
作業療法士の月給は、基本給に各種手当を含めて30万2,800円〜32万3,100円程度です。
下記は規模別の月給です。最も高いのは1,000人以上の32万3,100円、最も低いのは100〜999人規模の30万2,800円となっています。手当の金額はおおむね5,000円〜15,000円程度とされており、ここから健康保険料・厚生年金・住民税などの社会保険料が差し引かれた額が、実際の手取りとなります。
作業療法士の月給
| 組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 月給 (手当込み) | 35万1,800円 | 31万4,400円 | 30万2,800円 | 32万3,100円 |
| 平均年齢 | 38.8歳 | 38.3歳 | 35.5歳 | 33.5歳 |
| 勤続年数 | 5.8年 | 7.0年 | 8.2年 | 7.7年 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
作業療法士の賞与・ボーナス
作業療法士の賞与やボーナスは、年間57万円〜82万円程度が相場です。勤め先の規模や業績、勤務年数などによって大きく変動しますが、特に施設規模が大きいほど高いボーナスになる傾向があり、1,000人以上の組織では年間81万9,500円と最も高くなっています。
作業療法士の規模別 ボーナス額
| 規模 | 平均年齢 | 勤続年数 | 年間賞与 (その他特別給与額) |
|---|---|---|---|
| 5~9人 | 38.8歳 | 5.8年 | 56万6,800円 |
| 10~99人 | 38.3歳 | 7.0年 | 60万8,300円 |
| 100~999人 | 35.5歳 | 8.2年 | 68万9,800円 |
| 1,000人以上 | 33.5歳 | 7.7年 | 81万9,500円 |
| 10人以上(全体) | 35.5歳 | 7.8年 | 70万4,700円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
作業療法士の時給
作業療法士の平均時給は2,423円です。これは一般的なパート職種より高めといえます。中には3,000円以上の時給で働く作業療法士も存在します。
作業療法士の時給(規模別)
| 組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 10人以上(全体) |
|---|---|---|---|---|---|
| 時給 | 2,258円 | 2,854円 | 2,132円 | 2,058円 | 2,423円 |
| 平均年齢 | 42.8歳 | 43.1歳 | 42.3歳 | 44.6歳 | 42.9歳 |
| 勤続年数 | 10.4年 | 6.2年 | 7.9年 | 9.7年 | 7.4年 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
公務員として働く作業療法士の給与
都道府県、市区町村の保健センター・保健所など、正規の公務員として働く場合は、給料表にもとづき年齢とともに年収が上がります。
国家公務員法では、作業療法士は医療職俸給表(二)が適用され、作業療法士の平均よりも年収が高くなる場合もあります。また、地方公務員は、都道府県、市区町村によって報酬が異なる場合があります。
手当・福利厚生
通勤手当や時間外手当(残業手当)以外にも、作業療法士の資格手当、家賃補助などの住宅手当、役職手当、皆勤手当などがあります。手当の金額は月5,000円~10,000円程度です。多くの職場で、社会保険が完備されています。ただ、非常勤の場合は会社の社会保険ではなく、個人で加入することも少なくないので、事前に確認することが大事です。

