特定行為認定看護師とは?資格取得のメリットとキャリアアップのポイント
「特定行為に関わる看護師の研修制度」を修了した看護師のことを、特定行為認定看護師や特定行為看護師と呼びます。看護師のキャリアアップ方法の一つとなっている「特定行為認定看護師」について、概要や役割をご説明します。
目次
特定行為認定看護師とは?
概要
特定行為認定看護師とは、「特定行為に関わる看護師の研修制度」の研修を修了した看護師の呼称です。
研修を修了すると、医師や歯科医師が作成した手順書により特定行為を行うことができるようになります。この特定行為は診療の補助であり、厚生労働省により38行為が定められています。
特定行為認定看護師の役割と重要性
特定行為認定看護師になることで、医師や歯科医師の判断を待たずに特定行為が行えるようになります。
これは、高齢化が進み医療を必要とする人が増えていく日本でとても重要なことです。手順書により特定行為が行えるようになることで、医師不足を補うことができ、患者さんの健康維持と病状悪化防止が可能になります。
特定行為とは?
特定行為とは:定義と種類
以下の38行為が、特定行為として定められています。
| 行為 | 内容 |
|---|---|
| 気管チューブ位置調整 | 経口・経鼻の気管チューブの深さ調整を行うことができる。 |
| 侵襲的陽圧換気設定変更 | 酸素濃度、換気様式、呼吸回数、一回換気量など人工呼吸器の設定条件を変更できる。 |
| 非侵襲的陽圧換気設定変更 | NPPV(非侵襲的陽圧換気)の設定条件を変更できる。 |
| 鎮静薬の投与量調整 | 人工呼吸管理中の鎮静薬の投与量を調整できる。 |
| 人工呼吸器離脱 | 人工呼吸器からの離脱(ウィーニング)を行うことができる。 |
| 気管カニューレ交換 | 留置された気管カニューレの交換を行うことができる。 |
| 一時的ペースメーカ操作 | ペースメーカの操作および管理を行うことができる。 |
| ペースメーカリード抜去 | 右心室内に留置されているリードを抜去し、必要な創処置を行う。 |
| PCPS操作・管理 | 経皮的心肺補助装置(PCPS)の操作および管理を行うことができる。 |
| IABP補助頻度調整 | IABP離脱時の補助頻度の調整を行うことができる。 |
| 心嚢ドレーン抜去 | 心嚢ドレーンを抜去し、必要な創処置を行うことができる。 |
| 低圧胸腔吸引器設定変更 | 吸引圧の設定および変更を行うことができる。 |
| 胸腔ドレーン抜去 | 胸腔ドレーンを抜去し、縫合や結紮閉鎖などを行うことができる。 |
| 腹腔ドレーンの抜去(腹腔内に留置された穿刺針の抜針を含む。) | 腹腔ドレーンまたは穿刺針を抜去し、必要な創閉鎖を行う。 |
| 胃ろう・腸ろう交換 | 胃ろうカテーテル・腸ろうカテーテル・胃ろうボタンの交換を行う。 |
| 膀胱カテーテル交換 | 膀胱カテーテルの交換を行うことができる。 |
| 中心静脈カテーテル抜去 | 中心静脈カテーテルを抜去し、止血と創処置を行う。 |
| PICC挿入 | 超音波で静脈を選択し、肘・上腕静脈からPICCを挿入できる。 |
| 壊死組織除去 | 血流のない壊死組織を剪刀・鑷子で除去し、洗浄や止血などを行う。 |
| 陰圧閉鎖療法 | 創面を密封し、ドレナージ管接続と陰圧設定を行う。 |
| 創部ドレーン抜去 | 創部ドレーンを抜去し、開放・ガーゼドレナージ等を行う。 |
| 直接動脈穿刺法による採血 | 橈骨・上腕・大腿動脈などから動脈血を採取し圧迫止血する。 |
| 橈骨動脈ラインの確保 | 橈骨動脈から穿刺し、カニューレを動脈内へ留置する。 |
| 血液浄化器操作 | 血液透析器や血液透析濾過器の操作・管理を行う。 |
| 高カロリー輸液調整 | 持続点滴中の高カロリー輸液の投与量を調整できる。 |
| 脱水補正 | 脱水に対して輸液により補正を行うことができる。 |
| 感染徴候時の薬剤投与 | 感染徴候がある際に薬剤を臨時に投与できる。 |
| インスリン量調整 | インスリンの投与量調整を行うことができる。 |
| 硬膜外鎮痛剤調整 | 硬膜外カテーテルによる鎮痛剤の投与と調整を行う(PCA除く)。 |
| カテコラミン調整 | 持続点滴中のカテコラミン投与量を調整できる。 |
| 電解質投与量調整 | ナトリウム・カリウム・クロールの投与量を調整できる。 |
| 降圧剤調整 | 持続点滴中の降圧剤投与量を調整できる。 |
| 糖質・電解質輸液調整 | 糖質輸液・電解質輸液の投与量を調整できる。 |
| 利尿剤調整 | 持続点滴中の利尿剤投与量を調整できる。 |
| 抗けいれん剤投与 | 抗けいれん剤を臨時に投与できる。 |
| 抗精神病薬投与 | 抗精神病薬を臨時に投与できる。 |
| 抗不安薬投与 | 抗不安薬を臨時に投与できる。 |
| 抗がん剤漏出時の処置 | ステロイド薬の局所注射および投与量調整を行う。 |
特定行為が必要とされる背景
特定行為が必要とされる背景には、高齢化や医師・看護師不足といった課題があります。医療を必要とする人が増える中で人材が不足しており、特定行為ができる看護師の存在が求められています。
資格取得までの流れ
資格取得の条件
特定行為認定看護師になるための必須条件は看護師免許の保有です。多くの研修機関で3〜5年の臨床経験が推奨されていますが、条件は機関によって異なります。
取得までのステップ
共通科目(250時間)
臨床病態生理学、臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理学、疾病/臨床病態概論、医療安全学/特定行為実践区分別科目(5〜34時間)
呼吸器関連、カテーテル管理、透析管理、血糖コントロールなど
講義の多くは eラーニングですが、一部の演習・実技・筆記試験は研修施設で実施されます。
取得にかかる費用や期間
- 期間:おおむね 1年間
- 費用:30万円〜250万円
- 補助:教育訓練給付制度、人材開発支援助成金などが利用可能
※金額は研修機関の設定例であり、公的制度の「法定数字」ではありません。補助利用には申請・条件があります。
資格取得のメリット
キャリアアップの可能性
特定行為認定看護師になることで職域が広がり、昇格・昇給や転職の選択肢が増えます。より深い専門知識を得ることで信頼度も高まります。
医療現場への貢献度
医師の判断を待たず必要な処置ができるため、迅速な医療提供が可能となり、医師の負担軽減にもつながります。資格取得を目指す人へのアドバイス
資格取得を検討する際のポイント
キャリアプランを明確にし、どの専門性を伸ばしたいかを考えることが重要です。資格取得後も継続的な学びが必要となります。
研修受講者の声
研修の受講者からは以下の声が多く見られます。
- 医師の思考過程を理解できた
- 視野が広がった
- 医学的視点を踏まえた看護が身についた
特定行為研修は負担も大きいですが、それ以上の価値がある研修です。
よくある質問(FAQ)
特定行為認定看護師の需要は?
2022年時点で5,000人未満とまだ少なく、高齢化・在宅医療の増加で今後さらに需要が高まると予想されています。
どのような人に向いている?
スキルアップしたい人、チーム医療に積極的に関わりたい人、キャリアアップを目指す人向けです。
資格を取得しても他の業務に戻れる?
戻れます。特定行為研修を受けても通常の看護業務が制限されることはありません。必要に応じてチーム内で業務調整が可能です。
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