看護師国家試験で難しかった年はいつ?過去の傾向と対策方法を解説
「看護師国家試験で難しい年があると聞いた」「試験が難しい年だった場合、どう乗り越えればいいんだろう?」
この記事では、そのように不安を抱える方へ向けて、過去の看護師国家試験の中で「難しかった」といわれる年や、その特徴、合格率の傾向について解説します。受験を控えている方に向けて対策も紹介するのでぜひ参考にしてください。
看護師国家試験が「難しい」と言われる理由とは?
看護師の国家試験が難しいと言われる理由についてみていきます。 試験時間の長さや出題される分野の幅広さ、問題数に加え、時代にあわせた試験内容のアップデートが定期的にあり、応用力、対応力が試されることが影響しています。
💡看護師国家試験の基本情報
試験科目は「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」「基礎看護学」「地域・在宅看護論」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「看護の統合と実践」の11科目となっており、マークシート形式で出題されます。
午前・午後ともにそれぞれ2時間40分、合計で5時間20分の試験時間が設けられており、「必修問題」「一般問題」「状況設定問題」の3種類に分けて、合計240問が出題されます。
試験時間の長さや出題される問題数からもわかるように看護師国家試験は誰もが簡単に合格するような試験ではありませんが、受験資格が与えられているのは看護師養成課程のある大学・専門学校に通う学生や、准看護師としての実務経験を持つ人のため、合格率は毎年90%前後で推移しています。ただし、中には例年よりも合格率が低い年や、新傾向問題が増加する年もあり、「今年の看護師国家試験は難しかった」と話題になることがあります。
過去の看護師国家試験で難しかった年は?
次に過去30年間の看護師国家試験で、目立って合格率の低かった年の状況をみていきます。
2001年に行われた第90回看護師国家試験の合格率は84.1%と例年より低く、試験が難しかったことがうかがえます。
この背景にあるのは、それまでの出題傾向に比べて問題思考型の問題が増えたことです。問題自体は「良質になった」と評価する声が上がる一方で、特に既卒者や2年制過程の学生の合格率を下げた要因になったと考えられています。
また、翌年である2002年に行われた第91回看護師国家試験も、合格率は84.3%と、前年に続いて低い水準となりました。この年は、応用力が試される問題が増えたことがその要因として考えられています。しかし、問題の中には臨床的知識や技能が問われる問題や、正解が絞れない問題があったと非難の声も上がっており、9題が不適切問題だったとして採点除外や複数回答を正解にする対応がとられました。
難しいとされた年の特徴と傾向
看護師国家試験に関して「難しかった」との声が多くあがった年は、前年までの出題傾向と大きく変化した年です。厚労省では、「時代が求める看護職員としての能力を問う」看護師国家試験となるよう、数年に一度の頻度で問題の種類や問題数、試験時間などに変更を加えています。
この際、基本的に難易度の変更は目的とされていないものの、出題形式や傾向が変わったことで「難しかった」と感じる受験者が増加する傾向にあります。近年では、2017年に行われた第106回看護師国家試験で、読解力を問う問題や長文問題、計算問題が増え、「時間が足りなかった」「過去問が役に立たなかった」といった声が多くあがりました。この年は、合格率は88.5%と例年と比較して大きく下落しているわけではないものの、一般問題・状況設定問題の合格基準は248点中142点と例年より低くなっており、合格基準を下げることで合格率を維持したと考えられています。
難しい年をどう乗り越える?対策は過去問アプリもおすすめ
看護師国家試験は、今後も数年に一度の頻度で出題形式や問題数などに変更が加えられる見込みです。そのような場合でも慌てずに試験を乗り切るために、事前に対策を講じておきましょう。
まず大切なのは、最新の看護理論や医療制度、時事問題を一通りチェックし、新傾向問題に対応する力をつけておくことです。また、試験が難しかったといわれる年は例年の出題傾向に変更が加えられている場合が多いといっても、過去問をおろそかにするのは危険です。難しかったといわれる年の過去問や次回の試験の予想問題を解き、比較することで、変更の傾向を把握し、どのような問題が出題されても慌てずに対応できるように準備しておきましょう。
また、そういった勉強や傾向把握と同様に重要なのが、メンタルと体調の両方を整えておくことです。特に試験日前日は、それまでの自分の努力を信じ、温かくして早めにベッドに入り、十分に睡眠をとるようにしましょう。運動でストレス発散をしたり、好きな音楽を聴いたりして、リフレッシュすることも大切です。また、看護師国家試験は毎年2月中旬に行われているため、寒さや乾燥が原因で体調を崩してしまう場合もあります。加湿器を使用したり、就寝時には濡れたタオルを部屋にかけておいたりすることで、万全な状態で試験日を迎えましょう。試験会場によっては、室内が寒い場合や、反対にエアコンで暑い場合もあります。試験当日はそのような場合に備え、温度調節が可能なように重ね着をしていったり、防寒グッズを持参したりするのがおすすめです。
看護師国家試験の最新情報をキャッチしよう
最新の試験傾向や対策を知るために、定期的に情報収集を行いましょう。厚生労働省が出す通知はもちろん、看護系試験対策サイトやSNSなどもこまめにチェックしておくのがおすすめです。
過去問アプリ
国試対策にはアプリも便利です。書籍のようにかさばらないスマートフォンのアプリは、移動の途中や授業と授業の間など、ちょっとした時間に勉強ができます。間違えた問題を絞り込んだり、ほかの学生の正答率がわかったりと、紙の本にはない機能が備わっているものも多くリリースされています。
グッピーの国家試験対策アプリ「国家試験&就職情報」は、過去5年分の問題を解くことができ、全問解説がついています。
難しい年でも合格するために大切なこと
「今年の看護師国家試験は難しかった」といわれている年でも、平均して90%前後の受験者が合格しています。そのことを意識して、あきらめずに準備を進めましょう。また、勉強を進めていると、友人など周りの看護師を目指す人たちが先に進んでいるような感覚を覚えることもあるかと思います。しかし、「これだけやれば必ず合格する!」という勉強時間や勉強方法はありません。自分に合った勉強方法とメンタル・体調ケアの方法を見つけ、看護師国家試験合格を手繰り寄せましょう。

