臨床検査技師の年収は?年収は上昇傾向、ボーナス(賞与)月収、初任給まとめ【2025年公開版】
臨床検査技師の平均年収は、541万2,800円、月給は約36万9,800円(2025年公開 厚生労働省調査)です。賞与は平均で約97万5,200円です。
ここ数年で平均年収は上昇しています。この記事では、年収を構成する月給、ボーナスなどを年齢別、規模別に詳しく紹介します。
臨床検査技師の給料相場まとめ
| 臨床検査技師の給料相場 | |
|---|---|
| 年収 | 541万2,800円 |
| 月給 | 36万9,800円 |
| 賞与・ボーナス | 97万5,200円 |
| 初任給 | 23万4,500円(経験0年、20〜24歳の臨床検査技師の平均月給) |
| 時給 | 2,843円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
今回の 教えてグッピー臨床検査技師 では、2025年3月に厚生労働省より公開された臨床検査技師の給料データをもとに、年収、初任給、月給、ボーナスについて解説します。
目次
臨床検査技師の年収
令和6年の臨床検査技師の平均年収は約541万2,800円です。年齢別では50代後半で最も年収が高くなる傾向が見られます。なお、国税庁「民間給与実態統計調査」によれば、令和5年の全職業・全年齢における平均年収は460万円でした。
以下より、年齢別、平均年収の推移、規模別の年収を見ていきます。
平均年収の推移
下図は臨床検査技師の2009年から2024年までの年収推移をまとめたものです。全体として大きな変動は見られないものの、2020年以降は上昇傾向が続いており、最新の2024年には541万2,800円となりました。この傾向は、日本全体の平均年収と同様に、近年ゆるやかに上昇しています。
臨床検査技師 年収推移
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)より集計。2019年以前と2020年以後では調査方法が異なる。
年齢別の平均年収
多くの職業と同様、臨床検査技師の年収は年齢とともに上昇する傾向があります。役職に就いている人が多い50歳代後半で最も平均年収が高く、701万2,900円となっています。なお、通常は65歳で定年を迎えますが、それ以降も契約を延長して勤務を続けるケースもみられます。
年齢別の年収
| 年齢 | 年収 |
|---|---|
| 20~24歳 | 358万6,400円 |
| 25~29歳 | 427万6,600円 |
| 30~34歳 | 476万3,600円 |
| 35~39歳 | 494万7,000円 |
| 40~44歳 | 544万900円 |
| 45~49歳 | 582万3,100円 |
| 50~54歳 | 622万8,900円 |
| 55~59歳 | 701万2,900円 |
| 60~64歳 | 447万4,500円 |
| 65~69歳 | 464万1,200円 |
| 70歳以上 | 420万6,400円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
Q. 日勤のみで働ける職場はありますか?
A. 健診センターや一部のクリニックでは、夜勤のない日勤勤務が一般的です。家庭やプライベートと両立したい方に人気があります。
勤務先の規模別の年収
勤務先規模ごとにみた、臨床検査技師の最新(令和6年)の年収は以下の通りです。これまでは就業先の施設規模が大きいほど年収が高くなる傾向がありましたが、令和6年の調査では10人未満の小規模事業所がもっとも高い年収となっています。(ただし、10人未満の事業所は、調査対象数が27人と少ないため、参考値としてご確認ください)
5~9人:657万円
10~99人:510万100円
100~999人:510万7,700円
1,000人以上:567万7,400円
勤務先規模別 臨床検査技師の年収
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
臨床検査技師と看護師の年収比較
臨床検査技師と看護師の年収を年齢別に比較しました。20代では看護師が約10%高いものの、30代半ばで逆転し、40代以降は臨床検査技師が看護師を上回り、特に55~59歳では約20%高く、60代前半は再び看護師が上回りと、その後はほぼ同水準となります。
| 年齢 | 臨床検査技師 年収 | 看護師 年収 | 臨床検査技師 / 看護師(%) |
|---|---|---|---|
| 20~24歳 | 358万6,400円 | 401万4,700円 | 89.3% |
| 25~29歳 | 427万6,600円 | 474万1,500円 | 90.2% |
| 30~34歳 | 476万3,600円 | 487万1,500円 | 97.8% |
| 35~39歳 | 494万7,000円 | 485万3,100円 | 101.9% |
| 40~44歳 | 544万900円 | 521万6,200円 | 104.3% |
| 45~49歳 | 582万3,100円 | 551万8,700円 | 105.5% |
| 50~54歳 | 622万8,900円 | 566万6,100円 | 109.9% |
| 55~59歳 | 701万2,900円 | 585万9,300円 | 119.7% |
| 60~64歳 | 447万4,500円 | 477万8,600円 | 93.6% |
| 65~69歳 | 464万1,200円 | 450万1,600円 | 103.1% |
| 70歳以上 | 420万6,400円 | 407万2,800円 | 103.3% |
男性・女性別の年収
臨床検査技師(10人以上の事業所)では、男性の平均年収が541.3万円、女性は485.5万円と約56万円の差があります。年齢や勤続年数はほぼ同じで、労働時間も男女差は1時間程度と小さいため、給与差は主に月給や賞与の水準、役職の有無等によるものと考えられます。
| 性別 | 年収 (万円) | 年齢 | 勤続年数 | 所定内労働時間 | 超過労働時間 | 月給 | 賞与 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 541.3 | 40.5歳 | 11.1年 | 157時間/月 | 11時間/月 | 34.07万円 | 97.52万円 |
| 女性 | 485.5 | 40.4歳 | 11.4年 | 156時間/月 | 10時間/月 | 32.98万円 | 89.76万円 |
*年収と労働条件(10人以上の事業所・男女別)
臨床検査技師の月給
臨床検査技師の月給は、経験や所属組織によって違いはありますが、平均値としては36万9,800円になっています。
事業所の規模別にみると以下の通りです。
臨床検査技師の月給
| 組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 月給 (手当込み) | 41万4,000円 | 36万7,100円 | 35万1,500円 | 38万3,500円 |
| 月給 (手当含まず) | 39万5,000円 | 35万円 | 33万2,000円 | 36万円 |
| 勤続年数 | 18.5年 | 4.9年 | 8.1年 | 12.4年 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
ボーナス・賞与
臨床検査技師の賞与は平均で約97万5,200円です。賞与額は経験年数や年齢、所属施設の規模によって大きく変わる傾向があります。
事業所の規模別にみると以下の通りです。
臨床検査技師の賞与・ボーナス
| 組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 賞与・ボーナス | 160万2,000円 | 69万4,900円 | 88万9,700円 | 107万5,400円 |
| 平均年齢 | 54.5歳 | 52.4歳 | 51.8歳 | 51.8歳 |
| 勤続年数 | 18.5年 | 4.9年 | 8.1年 | 12.4年 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
臨床検査技師の初任給
令和6年の臨床検査技師の初任給は、時間外手当などを除いた基本給のみの月給で、23万4,500円(経験年数0年、20〜24歳の臨床検査技師の平均月給)です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月給 | 23万4,500円 |
| 賞与 | 2万6,900円 |
| 年収 | 284万5,900円 |
時給
パートや契約で働く場合、臨床検査技師の給与体系は時給制となるケースがあり、平均時給は約2,843円です。
事業所の規模別にみると以下の通りです。
臨床検査技師の時給・平均年齢・勤続年数
| 組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 時給 | 3,810円 | 2,957円 | 3,459円 | 1,741円 |
| 平均年齢 | 66.6歳 | 52.4歳 | 51.8歳 | 51.8歳 |
| 勤続年数 | 18.5年 | 4.9年 | 8.1年 | 12.4年 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
Q. 子育てと両立できる職場はありますか?
A. 週2~3日から勤務できるパート求人や、残業少なめの職場も増えています。扶養内勤務や育児と両立できる勤務形態を選ぶ方もおられます。
公務員の給与
公務員の臨床検査技師の給与について、諸手当込みで国家公務員は35万7,899円となっており、地方公務員は34万7,180円となっています。
国家公務員:令和5年国家公務員給与等実態調査(医療職俸給表(二)), 地方公務員:令和5年 地方公務員給与実態調査結果の状況
手当・福利厚生
多くの職場で、社会保険が完備されており、通勤手当、時間外手当(残業手当)の他、家賃補助などの住宅手当、役職手当などがつく場合があります。公務員の場合はこうした福利厚生が手厚くなることがあります。しかしながら、手当や福利厚生は勤務先によって異なりますので、事前に確認する必要があります。また非常勤の場合は会社の社会保険がなかったり、個人で加入したりすることもあります。

