2025年6月26日更新

医療事務の年収はどれくらい？勤務先の規模別に徹底比較【令和6年最新データ】

医療事務の給料は勤務先の規模によって年収には違いがあるようです。たとえば、従業員数が10～99人の小規模な職場では平均年収が約406万4,700円、100～999人の中規模では約441万7,500円、1,000人以上の大規模な職場では約542万5,600円と、組織の規模が大きくなるほど年収が高くなる傾向が見られます。（令和6年賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」）

常勤として働く人の平均年収は約481万4,100円、月給（所定内給与額）は約33万900円となっています（※手当などを含む）。なお、これらの数字は医療事務に限らず、企業の事務職や自治体の職員など、幅広い事務職の平均を含んだものです。そのため、実際の医療事務の給与とは多少のズレがある可能性もあります。

実態により近い給与額として、医療系求人サイトGUPPYでの医療事務の求人では、月給20万円台前半の募集が多く見られ、事務長といった役職や専門性に応じて高くなる傾向があります。また、地域や雇用形態によっても変わります。求人への応募を検討する際は、業務内容や募集条件をよく確認することが大切です。

※厚生労働省令和6年賃金構造基本統計調査「その他の一般事務従事者」より

1. 医療事務の初任給
2. 医療事務の年収
3. 医療事務の月給
4. 賞与・ボーナス
5. 時給
6. 手当・福利厚生
7. その他の事務・アシスタント職はこちら

今回の教えてグッピー医療事務では、医療事務の初任給や規模別・年齢別の年収、月給、手当などについてみていきます。

医療事務の初任給

医療事務の初任給の参考として、経験年数0年・20〜24歳の「その他の一般事務従事者」のデータを見ると、月給（所定内給与額）は約22万3,200円、年収に換算すると約273万9,000円となっています。

この金額はあくまで平均値であり、医療事務に特化したデータではない点に注意が必要です。医療事務は学歴にかかわらず就業可能な職種ですが、他の多くの職業と同様に、初任給には学歴（高校卒・専門卒・大卒）や勤務先の規模・地域による差が見られることもあります。

初任給は将来の昇給やキャリア形成にも関わる重要な指標のひとつです。就職先を選ぶ際には、給与だけでなく仕事内容や働き方、将来の成長機会もあわせて確認するとよいでしょう。

経験年数0年の給与データ

区分	所定内給与額（月給）	年間賞与	年収（推定）	労働者数
～19歳	188,700円	28,900円	227万3,300円	286人
20～24歳	223,200円	60,600円	273万9,000円	2,845人

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

医療事務の年収

医療事務の年収の参考として、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」における「その他の一般事務従事者」のデータを見ると、企業規模計（10人以上）における常勤職員の平均年収は約481万4,100円となっています。

ただし、これはすべての年代・役職を含む全体の平均であり、年齢の平均は約43歳、勤続年数は10〜13年と比較的長めであるため、未経験者や若年層の初任給とはギャップがあります。

勤務先の規模別の年収

医療事務の年収は、勤務先の規模によって大きく異なる傾向が見られます。令和6年の統計データによると、一般的に規模の大きな職場ほど年収が高くなる傾向があります。

従業員10～99人規模の職場では平均年収が約406万4,700円、一方で、1,000人以上の大規模な職場では約542万5,600円となっており、約136万円の差があることがわかります。

また、求められるスキルや専門性のほか、業務量を反映している可能性もあります。就職先を選ぶ際には、給与だけでなく、仕事内容や働きやすさ、キャリアアップの機会などを総合的に検討することが大切です。

勤務先規模別医療事務の年収

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

年齢層別の年収

医療事務の年収は年齢とともにおおむね上昇する傾向があります。20代前半では年収が300万円を下回ることもありますが、30代から40代にかけては月給や賞与が増え、年収も上昇します。50代でピークを迎えるケースが多く、その後はやや減少する傾向が見られます。

ただし、年収の伸びには個人差があり、働き方や職場環境によっても異なります。資格取得やスキルアップに継続的に取り組むことで、より高い年収を目指すことも可能です。

規模別に見ると大規模事業所では、給与額が高くなっています。

年齢別・企業規模別の年収（厚生労働省令和6年調査より）
年齢	企業規模計（10人以上）	100～999人	10～99人	1,000人以上
20～24歳	310万0,520円	294万4,210円	295万5,340円	333万3,930円
25～29歳	390万0,590円	351万1,220円	359万9,070円	424万4,739円
30～34歳	444万4,589円	384万4,620円	399万9,730円	495万5,360円
35～39歳	476万6,350円	398万8,520円	434万4,970円	552万2,720円
40～44歳	500万0,430円	406万6,170円	462万2,220円	579万9,330円
45～49歳	523万3,630円	454万4,850円	478万8,520円	594万4,240円
50～54歳	552万2,010円	426万6,980円	510万0,780円	623万3,250円
55～59歳	588万8,810円	440万0,389円	567万7,690円	648万8,030円
60～64歳	478万8,950円	450万0,170円	463万3,620円	504万4,480円
65～69歳	384万4,070円	379万9,220円	378万8,290円	396万6,790円

平均年収の推移

以下の図は、2020年から2024年の医療事務の年収をまとめたものです。なお2019年以前の統計情報は2020年以降と調査方法が異なっており、データが得られませんでした。

医療事務年収推移

賃金構造基本統計調査（厚生労働省）より集計。2019年以前と2020年以後では調査方法が異なる。

医療事務の月給

医療事務の月給の参考として、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」における「その他の一般事務従事者」のデータを見ると、全体の平均月給（手当込み）は約33万900円となっています。

ただし、これは常勤者全体の平均値であり、実際には職種や役職、勤務先の規模によって大きく異なります。

たとえば、求人サイトGUPPYに掲載されている医療事務の求人では、月給20万円前半の募集が多数を占めており、一方で、病院の事務長など管理職ポジションになると月給30万円〜40万円以上の水準で募集される傾向もあります。

就職前には、求人内容や面接時の情報を通じて十分なリサーチと確認が重要です。

医療事務の月給（常勤者・手当込み）

組織規模	10～99人	100～999人	1,000人以上	規模計
月給	28万5,000円	30万1,400円	37万2,200円	33万900円
勤続年数	9.8年	11.5年	12.7年	11.7年
年齢	43.9歳	43.3歳	43.5歳	43.5歳

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

賞与・ボーナス

医療事務の賞与について、年間の平均賞与は約84万3,300円となっています。

ただし、この数値は常勤職員の平均値であり、すべての雇用形態に当てはまるわけではありません。

そのため、就職・転職の際には、賞与の有無や支給条件（勤務年数や評価など）を求人情報や面接時にしっかり確認しておくことが重要です。

医療事務の賞与・ボーナス

組織規模	10～99人	100～999人	1,000人以上	企業規模計（10人以上）
賞与・ボーナス	64万4,700円	80万700円	95万9,200円	84万3,300円
平均年齢	43.9歳	43.3歳	43.5歳	43.5歳
勤続年数	9.8年	11.5年	12.7年	11.7年

賃金構造基本統計調査（令和6年、厚生労働省）より集計

時給

医療事務ではパートや派遣といった業務形態も多く、こうした場合は時給制で働くこともあります。医療事務の平均時給は約1,502円です。また求人サイトGUPPYの時給相場を見ると1,200円程となっています。時給は職務経験、仕事内容、ポジションによっても変動します。

医療事務の時給（短時間労働者）

組織規模	10～99人	100～999人	1,000人以上	規模計
時給	1,395円	1,435円	1,625円	1,502円
勤続年数	15.0年	14.9年	15.4年	15.2年
年齢	7.9歳	7.2歳	6.7歳	7.2歳

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

手当・福利厚生

医療事務は多くの職場で社会保険が完備されており、通勤手当、時間外手当（残業手当）などがつくことが普通です。所属施設によってはさらに住宅手当や退職金制度を設けていることもありますが、気になる場合は事前に確認しましょう。福利厚生とは少し違いますが、大きい病院などで勤務する医療事務は、来院患者数が多い日などはどうしても残業が必要になる場合があります。できる限り、残業は少ない方がいいという方は、残業の頻度や時間などを就業先に確認しましょう。