調剤薬局事務ってどんな仕事?基本知識からキャリアパスまでを詳しく紹介 | 教えてグッピー
2025年10月31日更新

調剤薬局事務ってどんな仕事?基本知識からキャリアパスまでを詳しく紹介

調剤事務のと医療事務の仕事内容

調剤薬局事務とは?役割と業務内容を理解しよう

調剤薬局事務とは、調剤薬局におけるさまざまな事務作業を担当する職種です。その具体的な業務内容や、医療事務・薬剤師との違いを解説します。

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調剤薬局事務の基本的な業務内容

調剤薬局での受付対応や会計業務、データ入力、レセプト作成補助、薬の在庫管理などが、調剤薬局事務の仕事です。患者さんが持参した処方箋を確認して薬剤師に引き継いだり、薬の受け渡しを補助したりと、薬剤師が調剤や服薬指導などに専念できるようサポートを行います。資格がなくとも就くことができ、薬学に関する知識も必須ではありませんが、基本的な知識を身に着けておくと薬剤師との連携がとりやすく、患者さんからの質問や相談にもスムーズに受け答えできるようになります。

調剤薬局事務と医療事務の違い

調剤薬局事務と医療事務の大きな違いは、働く場所です。調剤薬局事務は調剤薬局が職場となるのに対し、医療事務は病院やクリニックなどが職場となります。受付対応や会計業務、レセプト作成補助などを行うのはどちらの職種においても共通ですが、医療事務の場合は医師や看護師などのサポートも業務内容に含まれます。

調剤薬局事務と薬剤師の違い

調剤薬局事務と薬剤師の主な違いは、資格の有無と対応できる業務の範囲です。薬剤師は、薬学・薬剤に精通した薬の専門家です。国家試験に合格して薬剤師免許を取得することで薬剤師として働けるようになります。主な業務内容は薬の調剤や服薬指導、薬歴管理や薬剤の販売などであり、薬剤師免許を持つことで第一類医薬品も扱えるようになります。

一日の仕事の流れ

調剤薬局事務は、薬局業務を円滑に進めるためにさまざまな業務を行います。調剤薬局事務の1日の基本的な流れを解説します。

清掃・開局準備

調剤薬局の営業開始時間の30分ほど前に出勤し、店内の清掃やレジ開け業務、データ整理などを行います。薬局によりますが、多くの調剤薬局は9時から営業を開始することが多いため、調剤薬局事務としてフルタイムで働く方の出勤時間は8時半前後になるのが一般的です。

患者対応・レセプト作成補助・薬の点検

薬局の営業開始後は、患者さんが持参する処方箋の受付対応や会計業務、レセプト作成補助、薬の点検などを行います。そのほか、電話対応や薬の在庫管理、調剤補助や医薬品の発注なども行うことがあります。

レジ締め・在庫管理・書類整理

薬局の営業が終わる18時~19時になると、レジ締め業務や薬の在庫管理、書類やデータの整理などを行い、終業します。その日の混雑具合や調剤薬局の体制にもよりますが、残業はあまり発生しません。

調剤薬局事務に求められるスキルと資格

調剤薬局事務として働くために、特別な資格は必要ありません。しかし、持っておくといいスキルや資格もあります。どのようなスキル・資格が求められるのかを解説します。

コミュニケーションスキル

調剤薬局事務の仕事は、薬剤師や患者さんと常に接する仕事です。コミュニケーションスキルがある人は、薬剤師との連携がとりやすく、不調や悩みを抱える患者さんにも柔軟に対応することができます。もちろん、コミュニケーションスキルに自信がない場合も調剤薬局事務として働くことはできますが、「一人で黙々と仕事をしたい」という方には調剤薬局事務はあまり向いていないといえるでしょう。

パソコンスキル

調剤録の入力やレセプト作成補助など、調剤薬局事務の仕事にはパソコンを使った業務が多々あります。そのため、基本的なパソコンスキルに加え、エクセルスキルやタイピングスキルなどを備えている人は、調剤薬局事務の仕事に向いています。

調剤薬局事務関連資格

調剤薬局事務として働くために必須の資格はありませんが、「調剤薬局事務検定試験」「医療保険調剤報酬事務士」「調剤報酬請求事務技能認定」「調剤報酬請求事務専門士」などの関連資格を取得しておくと、スムーズに仕事に慣れることができます。未経験で調剤薬局事務職に転職したいと思った場合にも、これらの資格を持っていることで転職活動が有利に進みます。

調剤薬局事務のメリット・デメリット

どの仕事にもいえることではありますが、調剤薬局事務として働くことにはメリットとデメリットがあります。主なメリットとデメリットを解説します。

調剤薬局事務のメリット

調剤薬局事務のメリットとしてまず挙げられるのは、将来性があり、働く場所を見つけやすいことです。高齢化社会の進行に伴い医療ニーズは増加しており、調剤薬局は全国さまざまな場所にあるため、仕事を続けやすい環境が整っています。また、未経験・無資格でも働き始められることも魅力です。未経験から経験を積み、登録販売者資格や薬剤師資格の取得を目指すこともできます。さらに、勤務時間に融通が利く職場が多い点もメリットです。パート・アルバイトから正社員まで雇用形態も幅広く、ライフスタイルに合わせて勤務時間を調整しやすいという魅力があります。

調剤薬局事務のデメリット

調剤薬局事務のデメリットは、給料が低い場合が多いことです。年収であれば300万円ほど、時給であれば1,000円ほどである場合が多く、ほかの医療職と比較すると平均年収は少なめです。また、一般的な事務職は土日祝日が休みである場合が多いですが、調剤薬局事務はそうではありません。薬局の休業日やシフトによって休みが決まるため、毎週土日は休みたいという場合は、正社員や契約社員での雇用は難しいことがあります。

調剤薬局事務としてのキャリアパス

調剤薬局事務からキャリアアップをしたい場合、どのような選択肢があるでしょうか。考えられるキャリアパスについて解説します。

調剤薬局内での昇給・昇格

一つ目は、調剤薬局事務としての経験を積んだり、登録販売者資格を取得したりすることで、昇給・昇格を目指す方法です。登録販売者は、一般用医薬品の販売ができるようになる資格です。年に1回試験が行われており、学歴や年齢などの受験資格はありません。資格取得により昇給や昇格につながるのはもちろん、転職も有利な条件で進みやすくなります。

医療機関や製薬会社への転職

調剤薬局事務で培った経験を活かして、医療機関や製薬会社の事務職へと転職するという道もあります。人気がある業界のため転職のハードルは高めですが、年収アップが見込めます。

薬局の基本知識

最後に、薬局に関する基本知識を解説します。調剤薬局事務に興味がある方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

処方箋・調剤明細書について

処方箋は、医師からの薬に関する指示が記載された文書のことです。保険番号や氏名といった患者さんの情報や医療機関の情報、薬剤の名前や量が書かれており、これを調剤薬局に提出することで薬を受け取ることができます。調剤明細書とは、調剤薬局で薬を受け取る際に領収書とともに渡される書類です。調剤技術料や薬学管理料、薬剤料といった会計の内訳が記載されています。

調剤薬局と薬局の違い

調剤薬局とは、病院やクリニックなどが出した処方箋をもとに、薬を患者さんに提供することのできる薬局のことです。特定の医療機関の処方箋を中心に取り扱う点分業、幅広い医療機関からの処方箋を取り扱う面分業の2つの分業形態があります。

これに対し薬局は、薬機法第2条10項で「薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所(その開設者が併せ行う医薬品の販売業に必要な場所を含む。)」と定義されています。処方箋をもとに薬を提供できるかどうかは問われておらず、薬剤師が調剤や指導、販売をしている場所は薬局と定義されます。

かかりつけ薬局とは

かかりつけ薬局とは、患者さんが決まって利用する、特定の調剤薬局のことです。どの医療機関から薬を処方されたとしても特定の調剤薬局にて薬を受け取ることで、薬剤情報の一元管理が受けられるという特徴があります。

また、かかりつけ薬局と関連する言葉に「かかりつけ薬剤師」があります。これは、薬や健康にまつわるサポートを、専属で行う薬剤師のことです。患者さん自身が薬剤師を選択し、同意書に署名することで、薬の一元管理はもちろん、24時間体制での相談対応や健康サポートを受けることができます。

日本の調剤薬局の数

高齢化社会の進行や医療の高度化に伴い、日本の医療ニーズは増加しています。そのため薬局数も増加しており、平成27年に約5.8万軒だった薬局数は、5年後の令和2年には6.1万軒となっています。また、処方箋の発行枚数・受取枚数も、年々増加しています。このような状況から、調剤薬局事務の仕事は今後も安定して需要があると考えられます。資格や経験がなくてもチャレンジすることができ、安定した雇用が見込める調剤薬局事務は、長く仕事を続けていきたい方に向いている仕事だといえるでしょう。

FAQ

調剤薬局事務は医療従事者ですか?

厚生労働省が定義する医療従事者は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、歯科技工士、臨床検査技師、衛生検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、言語聴覚士、管理栄養士、栄養士となっており、調剤薬局事務や医療事務は含まれていません。

しかし、医療従事者は「医療業界に従事する者」として広い意味で使用される場合もあり、その場合には調剤薬局事務や医療事務も医療従事者に含まれることがあります。

調剤薬局事務は誰でも取れる資格ですか?

調剤薬局事務をするうえで、必須となる資格はありません。また、調剤薬局事務に関連する資格に関しても、受験資格が定められていないものがほとんどであり、実務経験や学歴に関わらず受験することができます。ただし、資格によって合格率はさまざまです。資格取得を考えている場合には、十分に勉強して臨むようにしましょう。

薬局事務に向いている人は?

調剤薬局事務に向いているのは、人と接するのが好きな方です。患者さんはもちろん、薬剤師などほかのスタッフと協力して業務を進めていく必要があるので、人とコミュニケーションをとりながら仕事をするのが好きな方に向いています。また、データ入力等の細かい作業も行うことになるため、丁寧に作業ができる方やパソコン作業を得意としている方も向いています。

まとめ

調剤薬局事務と医療事務は、同じ医療系の事務職ですが、働く場所や対応する業務内容などに違いがあります。それぞれの特徴を理解し、自分の性格やキャリアプランに合った職種を選びましょう。

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