公認心理師の国家試験【2025】受験資格、合格率・難易度を調査
公認心理師とは、2017年に施行された公認心理師法により日本で初めて心理職の国家資格として認められた資格です。心理学の知識と技術を有する専門家であり、心理相談や心理療法など、さまざまな場面で心理的支援を行うことができます。2025年3月末日時点で、73,743人が公認心理師として登録しています。
2025年は受験者数2,174人のうち合格者1,454人で合格率は66.9%となりました。
国家試験は年1回・午前午後各120分のマークシート方式で、過去に8回開催されています。受験資格を得るには、大学や大学院、専門学校で心理学を学び、その後、実務経験などの条件を満たし、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
公認心理師国家試験
| 試験 | 年1回 3月(2025年) |
|---|---|
| 受験資格 | 7区分 |
| 受験料 | 28,700円 |
| 合格基準 | 7つの受験区分により変動 |
今回の 教えてグッピー 公認心理師 では、公認心理師国家試験(2025年)の合格率、難易度などについて見ていきます。
目次
公認心理師に必要な資格を取得するには
公認心理師になるには、公認心理師国家試験に合格することが必要です。公認心理師の受験資格を取得する方法は7通りあります。基本的には4年制大学で必要な科目を履修後、大学院にて必須科目を履修、あるいは定められた施設で2年以上該当業務に従事している必要があります。
また海外の大学にて、心理に関する科目を履修し卒業、かつ海外の大学院にて心理に関する科目を修め、課程を修了することも受験資格を得ることになります。
受験資格
公認心理師国家試験には大きく分けて7種類の受験資格があります。(区分A〜F)
受験資格 区分A
4年制大学において施行規則で定める科目を履修後卒業し、かつ、大学院において施行規則で定める科目を修めて修了する必要があります。
受験資格 区分B
4年制大学において施行規則で定める科目を履修後卒業し、文部科学大臣及び厚生労働大臣が認め、施行規則で定められた各施設において、2年以上、該当業務に従事している必要があります。上記2項目に関しては第6回の受験資格では想定されていません。
受験資格 区分C
外国の大学において心理に関する科目を修めて卒業、かつ、外国の大学院において心理に関する科目を修めてその課程を修了する必要があります。
受験資格 区分D1
2017年9月15日より前に大学院を修了した者で、施行規則で定める公認心理師となるために必要な科目を修める必要があります。
受験資格 区分D2
2017年9月15日より前に大学院に入学し、2017 年9月 15 日以後に、施行規則定める公認心理師となるために必要な科目を修めて大学院の課程を修了している必要があります。
受験資格 区分E
2017年9月15日より前に大学に入学し、施行規則で定める公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者であって、2017年9月15日以後に大学院において施行規則で定める科目を修了している必要があります。
受験資格 区分F
2017年9月15日より前に大学に入学し、施行規則で定める公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者であって、文部科学大臣及び厚生労働大臣が認め、施行規則で定められた各施設において、2年以上、該当業務に従事している必要があります。
公認心理師国家試験の試験内容
国家試験は年1回行われています。午前、午後の各120分ずつで(1.3倍受験者は160分、1.5倍受験者は180分)、五肢または四肢を基本とするマークシート形式です。出題基準は、一般財団法人日本心理研修センターホームページに掲載されます。
合格発表は、試験当日から約1か月後に一般財団法人日本心理研修センターホームページにて行われます。
試験地は第5回までは全国各地で行われていましたが、第6回からは東京都と大阪府の2都府のみとなっています。受験料は28,700円です。
公認心理師国家試験【2025年】概要
2025年3月2日(日)に実施された第8回公認心理師試験の概要を説明します。試験は、東京都と大阪府の2都府で行われました。合格発表は3月28日(金)午後2時から、一般財団法人公認心理師試験研修センターのホームページにて合格者の受験番号が掲載されます。試験結果通知書は郵送されないため、各自でダウンロードすることになります。
試験日
第8回公認心理師試験は、2025年3月2日(日)に実施されました。試験時間は午前と午後の各120分ずつで、1.3倍受験者(弱視等受験者)は160分、1.5倍受験者(点字等受験者)は180分となっています。
試験地・試験会場
試験は【東京都】および【大阪府】のいずれかで受験でき、申込時に選択します。会場の詳細は2025年2月12日(水)以降にダウンロード可能な受験票に記載されています。
合格発表
合格発表は、2025年3月28日(金)午後2時から、一般財団法人公認心理師試験研修センターホームページにて行われ、合格者の受験番号が掲載されます。試験結果通知書も同日よりダウンロード可能です。※いずれも郵送はなし。
解答発表
試験問題と正答は、合格者発表と同時にセンターホームページに掲載されます。
受験料
受験料は28,700円(非課税)で、2024年12月27日(金)までにクレジットカードまたはコンビニ決済で支払う必要があります。
受験手続き
2024年12月2日(月)から12月27日(金)まで(消印有効)に、オンライン手続き(PC、スマートフォン、タブレット)と郵送手続きの両方が必要です。
オンラインでは、「受験関連書類作成システム」にログインし、「顔写真アップロード」「受験申込情報の入力」「受験料の決済」を済ませた後、PDF一式(受験申込書など)を印刷します。それらに必要書類を添えて封入し、指定のラベルを貼付の上、簡易書留で郵送します。
公認心理師国家試験(2025年)の受験手続き日程
公認心理師国家試験(2025年)の受験手続き日程
| 受験概要発表 | 2024年9月 |
|---|---|
| 願書等受験書類の受付期間 | 2024年12月2日(月)〜12月27日(金) |
| 受験票の交付 | 2025年2月12日(水)よりDL可 |
| 試験日程 | 2025年3月2日(日) |
| 合格発表 | 2025年3月28日(金) |
| 提出書類 | ・受験申込書 ・区分に応じた証明書類(卒業・修了証など) |
試験科目・出題数
公認心理師法第5条に基づき「公認心理師として必要な知識及び技能」について出題されます。公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したブループリント(公認心理師試験設計表)に基づき、社会変化に伴う国民の心の健康の保持増進に必要な分野を含めた幅広い分野から出題されるほか、頻度や緊急性の高い分野についても優先的に出題されます。第8回も150問程度の問題数とされています。
令和7年度版の試験設計表は以下の通りとなっています。
公認心理師試験設計表(令和7年度)
| 分野 | 割合 |
|---|---|
| 1. 公認心理師としての職責の自覚 | 約6% |
| 2. 問題解決能力と生涯学習 | |
| 3. 多職種連携・地域連携 | |
| 4. 心理学・臨床心理学の全体像 | 約3% |
| 5. 心理学における研究 | 約2% |
| 6. 心理学に関する実験 | 約2% |
| 7. 知覚及び認知 | 約2% |
| 8. 学習及び言語 | 約2% |
| 9. 感情及び人格 | 約2% |
| 10. 脳・神経の働き | 約2% |
| 11. 社会及び集団に関する心理学 | 約2% |
| 12. 発達 | 約5% |
| 13. 障害者(児)の心理学 | 約3% |
| 14. 心理状態の観察及び結果の分析 | 約8% |
| 15. 心理に関する支援(相談、助言、指導その他の援助) | 約9% |
| 16. 健康・医療に関する心理学 | 約9% |
| 17. 福祉に関する心理学 | 約9% |
| 18. 教育に関する心理学 | 約9% |
| 19. 司法・犯罪に関する心理学 | 約5% |
| 20. 産業・組織に関する心理学 | 約5% |
| 21. 人体の構造と機能及び疾病 | 約4% |
| 22. 精神疾患とその治療 | 約5% |
| 23. 公認心理師に関係する制度 | 約6% |
| 24. その他(心の健康教育に関する事項等) | 約2% |
公認心理師国家試験【2025年】難易度・合格率
第8回公認心理師試験は、受験者数2,174人のうち合格者は1,454人で合格率は66.9%となりました。
まだ開始されたばかりの試験とあり、受験区分の変化により合格率は変化しています。
合格率・受験者数の推移
公認心理師試験の合格率は、開始された当初は受験者数36,103人に対し28,574人の合格で79.1%の合格率ではあったものの、第2回は46.4% 第3回は53.4% 第4回は58.6%、第5回は48.3%となりました。
合格者数も受験区分の変化に伴い年度ごとに差があります。
2022年までは、実務経験5年および講習を受講した方の「区分G」受験者が大部分を占めていましたが、2023年以降は区分Gがなくなり受験者が大幅に減っています。
公認心理師試験 合格者数と合格率
厚生労働省HPより
難易度
まだ新しい国家資格である公認心理師の合格率は、受験区分の変更等により受験年度により変動しています。
受験者数の推移
受験区分に変動があるため、受験者数は年度ごとに変動があります。一番多かったのは第1回の36,103人、少なかったのは第6回の2,020人でした。合格者の年齢区分では〜30歳が約18%、31〜40歳、41〜50歳が28%、51〜60歳が19%、61歳〜が7%程度の合格となっているため、幅広い年代にニーズある資格です。
2022年までは、実務経験5年および講習を受講した方の「区分G」受験者が大部分を占めていましたが、2023年以降は区分Gがなくなり受験者が大幅に減っています。
公認心理師国家試験 受験者数
厚生労働省発表資料より
公認心理師国家試験の勉強方法
公認心理師の試験資格を得るためには大学、大学院での専門的な科目履修が必要となります。大学においては25科目の履修が必要であり、実習は80時間以上を実施しなければなりません。実習については見学等による実施となります。大学院においては10科目の履修が必要となり、実習については450時間以上を実施しなければなりません。こちらの実習は見学だけではなく、医療機関でのケースを担当することが必須となり、より実践的なものになります。勉強内容に関しては、心理学に関する知識はもちろんのこと、人体の疾病・疾患、関係法規や各種理論等の理解も必要となってくるため、学校での授業のみならず、過去問やブループリントにそっての勉強が必要となってきます。
国試過去問題集
国試過去問題集は、過去に実際に出た問題を集めています。国試対策の勉強を始めたばかりのときには、出題傾向や形式を知ることに役立ち、自分の苦手な分野を発見し、勉強を効率的に進めていくときのヒントとしても使えます。国試直前の時期には、あやふやになっている知識を細かく確認していくのにも役立つので、勉強の初期からラストスパートまで活用しやすい教材です。
国家試験対策アプリ
国試対策にはアプリも便利です。スマートフォンのアプリは、移動の途中やちょっとしたすき間時間を有効に使って勉強することができます。書籍のようにかさばらず重くもないメリットがあります。学生はもちろん、栄養士として働きながら管理栄養士をめざす人にも適した教材です。間違えた問題を絞り込んだり、他の学生の正答率がわかったりと、紙の本にはない機能も備わっています。
よくある質問
- 公認心理師になるにはどのような資格が必要ですか?
- 公認心理師になるには、公認心理師法に基づく国家試験に合格する必要があります。2025年時点では、大学・大学院で所定の科目を修了する、あるいは実務経験を積むなど、区分A〜Fのいずれかの受験資格を満たすことが条件です。
- 公認心理師国家試験の合格率はどのくらいですか?
- 2025年に実施された第8回公認心理師試験では、受験者数2,174人のうち合格者は1,454人で、合格率は66.9%でした。合格率は年度や受験区分によって変動があります。
- 公認心理師の登録者数はどれくらいですか?
- 2025年3月末時点で、全国で73,743人が公認心理師として登録されています。年々登録者数は増加しており、医療・福祉・教育現場など幅広い分野で需要が高まっています。

