歯科技工士の年収は?規模別、年齢別、初任給やボーナスなど給料を調査
歯科技工士の平均給料は、年収が454万3,600円、月給は各種手当て込みで32万9,300円、賞与・ボーナスは59万2,000円です。また、初任給は20万7,100円で、時給は1,299円となっています。歯科技工士は技工所や診療所に勤務することがほとんどです。
全国の歯科技工所のうち、1人技工所は約76%で、独立開業して自分で運営するケースが多い職業といえます。
歯科技工士の給与相場
| 年収 | 454万3,600円 |
|---|---|
| 月給 | 32万9,300円 |
| 賞与・ボーナス | 59万2,000円 |
| 初任給 | 20万7,100円 |
| 時給 | 1,299円 |
令和6年賃金構造基本統計調査・初任給は日本歯科技工士会作成の賃金モデルより
目次
歯科技工士の初任給
歯科技工士の初任給は、月給20万7,100円です。これは令和6年賃金構造基本統計調査における、経験年数0年の20~24歳のデータをもとにしています。
また、公益社団法人日本歯科技工士会の賃金モデルでは、初任給は月給18万6,500〜20万7,500円です。4年制の大学卒の初任給が一番高く、20万円を超えています。
ほかの医療職に比べると、やや低めの印象ですが、年齢を重ねるごとに昇給があるほか、技術力を高めることでも金額が上がっていく傾向です。
歯科技工士の初任給
| 2年制卒 | 18万6,500円 |
|---|---|
| 3年制卒 | 19万7,100円 |
| 4年制卒 | 20万7,500円 |
日本歯科技工士会作成の賃金モデル
歯科技工士の年収
歯科技工士の平均年収は454万3,600円(2024年調査、10人以上の事業所)です。過去10年は400万円前後で安定しています。調査回答者の平均年齢は40.9歳です。歯科技工士はキャリアを重ねた後に、独立するケースも多く、年収は個人によって大きく異なります。
歯科技工所の約76%が1人で運営する小規模の事業所ですが、調査が難しいため、全体の年収実態を把握しづらいのが現状です。
年齢別
歯科技工士の年収は20代前半で333万円からスタートし、年齢とともに上昇して40代後半で約553万円とピークを迎えます。その後は50代でやや減少し、60代前半は476万円、65歳以上では273万円まで下がる傾向があります(令和6年賃金構造基本統計調査)。
年齢別 歯科技工士年収
| 20~24歳 | 333万2,500円 |
|---|---|
| 25~29歳 | 355万7,800円 |
| 30~34歳 | 418万2,300円 |
| 35~39歳 | 418万7,800円 |
| 40~44歳 | 494万4,100円 |
| 45~49歳 | 552万9,100円 |
| 50~54歳 | 549万5,500円 |
| 55~59歳 | 443万3,100円 |
| 60~64歳 | 476万5,500円 |
| 65~69歳 | 273万0,300円 |
令和6年賃金構造基本統計調査より
平均年収の推移
歯科技工士の平均年収の推移は、過去20年で300万円台半ばから400万円台半ばとなっています。最高が2023年の464万8,600円です。ここ数年は、400万円前後で大きな変化はなく、安定しています。
歯科技工士 年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
規模別
歯科技工士の平均年収を規模別にみると、「5~9人」が432万8,100円、「10〜99人」で436万400円、「100〜999人」で420万4,300円、「1000人以上」で522万4,500円です。999人までの規模では大きな違いがないものの、1,000人以上の規模では500万円を超える年収となっています。
勤務先規模別 歯科技工士年収
令和5年賃金構造基本統計調査より
歯科技工士の月給
歯科技工士の平均月給は32万9,300円で、調査対象者の平均勤続年数は12.7年です。内訳として時間外勤務などの諸手当が13,900円含まれており、所得税や社会保険料などが引かれた額が月給として支給されます。
以下は、事業規模別の月収です。
歯科技工士の月給
| 組織規模 | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 月給 (手当込み) | 31万9,300円 | 33万3,600円 | 30万4,500円 | 34万3,000円 |
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
賞与・ボーナス
歯科技工士の平均賞与は、従業者が10人以上の事業所で59万2,000円です。賞与額は技工所や歯科医院・病院の規模や経営状況に左右されます。歯科技工士が勤める一般的な職場規模は10〜99人程度で35万7,200円。顕著に高いのが1,000人以上の規模で110万8,500円です。
日本歯科技工士会の調査によると、全体では「支給された」と回答した人が60.4%、「支給されなかった」が34.5%(無回答5.1%)となっています。支給された人の平均金額は61.2万円ですが、支給された人の割合は年々減少しています。勤務先別で「支給された」と答えたのは、歯科技工所が48.7%、歯科医院(診療所)が71.1%となっています。
歯科技工士の時給
歯科技工士の時給の平均は1,299円です。
以下は、事業規模別の時給です。
歯科技工士の時給
| 5~9人 | 1,662円 |
|---|---|
| 10~99人 | 1,241円 |
| 100~999人 | 1,368円 |
| 1,000人以上 | ― |
| 全事業所計 | 1,299円 |
令和6年賃金構造基本統計調査より
就労時間
技工所や歯科医院に勤務している歯科技工士の「1日の平均就労時間」は9.7時間です。「一週間の残業を含めた就労時間」は、勤務歯科技工士で49.3時間、自営歯科技工士は62.1時間です。また、「週休形態」は「完全週休2日制」が40.2%で最多回答となっています。
手当・福利厚生
年金に加入している勤務歯科技工士は94.9%で、国民年金が26.5%、厚生年金が68.8%です。健康保険は加入率が87.9%で、国民健康保険が48.1%、協会けんぽ(全国健康保険協会)が25.0%です。労災保険は一人親方なども特別加入できるようになったこともあり、加入率は88.6%と増加しています。
| 年金加入率 | 95.4% |
|---|---|
| 健康保険加入率 | 87.9% |
| 労災加入率 | 88.6% |

