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2021年9月29日更新

歯科医師の就職先

歯科医師は、就職先の97%が病院診療所などの医療機関です。医療機関の中では、歯科医院(デンタルクリニック)が全体の85.9%を占めています。次に多いのが病院で11.1%。そのほかでは、公務員として国や自治体に勤めたり、介護施設で高齢者の口腔機能を管理するなどしています。少数ですが、歯科治療に関連する企業で働く人もいます。

職場・就業場所

歯科医院・デンタルクリニック

歯科医院(デンタルクリニック)は、歯科医師の約86%が働く代表的な就職先です。約65%が自分で医院を経営していて、残りの35%は正社員として勤務しています。業務は、むし歯や歯周病の治療、定期検診をはじめ、ホワイトニングや歯並びなど審美目的の治療も行います。2019年現在、全国に68,500軒の歯科医院があり、小児歯科や矯正歯科など、専門性を持った治療に力を入れる医院もあります。

多くの歯科医師が正社員として経験を積んだ後、分院の院長を任されたり、独立して自分で歯科医院を開業するなどのキャリアを築いていきます。

診療所・歯科医院で働く歯科医師

厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」より

歯科医院の開業

歯科医院で働く歯科医師のうち、65%が自分で歯科医院を経営しています。歯科医師は独立開業することがとても多い職業ですが、経営する歯科医師の91%が男性です。歯科医師全体のうち女性は24%に及びますが、男性に比べて開業の道を選ばない傾向にあるといえます。

歯科医院の数は、近年頭打ちとなっていて、新規の開設数も減少しています。

歯科診療所総数と新規開設数

厚生労働省「医療施設調査」より

病院

病院で働く歯科医師は、全体の11.1%です。そのうち、大学付属の病院の勤務者が73%を占めています。歯科医院と比べると、20~30代の歯科医師の割合が高く、歯学部を卒業した後、大学附属病院などで勤務することが多いといえます。また、大学院生として研究しながら診療を行う歯科医師もいます。

病院では、歯科医院より難しい症例を多く扱うほか、ほかの科で手術を行う人の口腔機能の管理や、放射線治療の副作用軽減など、歯や歯肉以外の全身疾患の治療に携わることもあります。

病院で働く歯科医師

厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」より

介護施設

介護施設で働く歯科医師もいます。利用者がしっかり食事を摂取し、自立生活ができるように、入れ歯の調整やむし歯の治療、専門的な口腔機能管理を行うことが仕事です。

高齢者の口腔機能管理の重要性が注目されているので、介護施設で働く歯科医師は少しずつ増えていくことが予想されます。2018年の調査では、介護老人保健施設(老健)に34人の歯科医師が勤務しています。

訪問歯科診療

訪問歯科診療は、移動が困難な高齢者など歯科医院への通院が難しい人を対象に、病院や歯科医院の歯科医師が訪問して診療を行うものです。訪問専門の歯科医院も存在します。患者の自宅のほか、介護施設で複数の人の治療を行うこともあります。

口腔機能が全身の健康状態に大きな影響を与えることから、訪問歯科診療を通じて、歯科医師が治療や口腔機能管理を行うことが重視されています。

保健所・公務員

公務員として行政機関で働く歯科医師は314人います(2018年調査)。全体の0.3%とわずかですが、保健医療に関わる制度づくりを行う技術系行政官として業務する人のほか、都道府県や市町村の役所・保健所で地域住民の口腔の健康維持・増進に努める人もいます。

自衛隊歯科医官として、自衛隊員の歯科診療や検診、災害復興や国際協力に従事する道もあります。

企業・メーカー

歯科治療用器具を開発するメーカーや、口腔ケア製品や医薬品を開発・製造する企業で、歯科の専門知識を持った人材して働く歯科医師も少数います。こうした企業で専門知識と技術を発揮することも可能です。

月給・年収・給料

歯科医師の平均月給は、2020年の調査で594万4,800円、ボーナスの平均が73万7,500円、年収は787万5,100円です。これは10人以上在籍している医院などを対象にした調査で、調査対象者の平均年齢は39.6歳です。

厚生労働省の「医療経済実態調査」によると、2018年の国立病院の歯科医師の平均年収は、およそ1,432万円。医療法人立の病院でおよそ856万円、個人立の歯科医院でおよそ632万円となっています。

歯科医師の給料相場
年収787万5,100円
月給59万4,800円
賞与・ボーナス73万7,500円
初任給28万7,300円
時給5,314円

厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より

就職先・職場の選び方

歯科医師が就職先や職場を選ぶときには、望ましいキャリアを築けるかどうかを重視する傾向にあります。携わりたい分野や経験したい治療に関われるか、優れた上司から学べるかなど、歯科医師として高い技術を身につけられることが重視されます。研修を受けた施設や出身大学など、指導者との関係を継続し、落ち着いて成長できる環境も考慮されます。

歯科医師は歯科医師国家試験に合格した後、決められた施設で1年以上の臨床研修を受けることが義務付けられています。臨床研修を修了した人へのアンケートでは、将来希望する進路につながることを、就職先や進路を選んだ理由に挙げる人が最も多くいました。

就職先では、歯科医院が44%、病院が33%、大学院等で研究が19%でした。歯科医師全体の就職先比率と比べると、キャリアの最初では病院で働く人の比率が高くなっています。

進路・就業先を選んだ理由(複数回答)

医政局歯科保健課「歯科医師臨床研修修了者アンケート」

キャリア

歯科医師がよいキャリアを歩むためには、質の高い技術と知識を身につける必要があります。特に身につけたい領域の治療を経験できること、関連の学会に所属できること、優秀な院長や先輩から指導を受けられること、開業を目指す人なら経営面での指導やサポートがあることも重視されます。

院長・指導医

院長や指導医が優秀で成長できる環境にあることも大切です。技術だけでなく、歯科医療への考え方、理念に共感できるかどうかも重要な要素です。歯科診療の現場は、歯科医院でも病院でも小さい組織が多く、人間関係が技術修得や診療の質に影響を与えやすい環境です。院長や上司、先輩の人柄も軽視できません。

出身大学

自分の出身大学で引き続き働くことができれば、慣れた環境で落ち着いて技術修得・向上に努めることができます。キャリアを積むうえでは、人脈も重要になるので、同じ大学の卒業生と知り合いになっておくことや、治療面での相互協力ができる体制をつくっておくことも大切です。

給与

給料ももちろん重視される要素です。キャリアのはじめは、質の高い歯科医師になることが優先されますが、経験を積み診療技術を身につけた後は、給料の重要度も増していきます。転職の度に年収を上げていく歯科医師も少なくありません。

勤務地

勤務地がどこになるかによって、診療できる症例も違ってくるので、キャリアを考える上でも勤務地は重要です。将来開業を考えているのであれば特に、歯科医院が少ない土地をあえて選んで働くことも選択肢の一つです。

施設・設備

施設や設備が最新のものであれば、より質の高い治療が可能です。そのため、施設や設備が整ったところで働きたいと考える歯科医師は多くいます。女性歯科医師が増えている現在、女性専用トイレや更衣室などが完備されていることも検討材料といえます。

就職活動・転職活動

歯科医師の転職は、勤務先や出身大学、学会の人脈を使うこともありますが、幅広い選択肢にふれられる就職情報サイト求人サイトも多く利用されます。希望条件や譲れない条件に合わせて検索ができるため、自分に合った歯科医院や病院を効率よく探し出すのに便利です。

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