歯科医師の給料は?初任給や開業医と勤務医の年収傾向
歯科医師の平均給料は、年収が810万4,100円、月給が各種手当込みで61万4,300円です。賞与・ボーナスは62万9,300円、時給は5,832円となっています。調査年によって金額にばらつきはありますが、大幅な上昇や下降はなく安定的に推移しています。年収は、年齢を重ねるにつれて上がっていく傾向があり、50代の平均年収は1,000万円を超えています。
歯科医師の給料相場 | |
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年収 | 810万4,100円 |
月給 | 61万4,300円 |
賞与・ボーナス | 62万9,300円 |
初任給 | 34万3,900円 |
時給 | 5,832円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
目次
初任給
歯科医師の初任給平均は、2022年の調査(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より)で34万3,900円です。経験に応じて収入は伸びていきます。年代別の平均年収を見ても、40代から50代にかけて大きく伸びるので、長期的に見ると魅力的です。
歯科医師の平均年収
歯科医師の平均年収は810万4,100円(2022年、10人以上の事業所)で、過去10年の調査結果では年によってバラつきがあり、900万円台後半から900万円台を示しています。事業所の規模別に見ると、従業員が100〜999人の事業所で平均年収が高くなっています。
規模別
歯科医師の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、従業員が100〜999人の規模事業所で903万300円と高くなっています。従業員が1,000人以上の大規模事業所が752万9,700円と最も平均年収が低くなっています。
勤務先規模別 歯科医師年収
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
年齢別
歯科医師の年齢別平均年収を見ると「25〜29歳」では464万3,300円で、「30〜34歳」が666万6,700円です。「35〜39歳」は996万3,600円と20〜30代では年齢と年収は比例傾向にあります。30代後半になると900万円代後半に急激に増加。その後は1,000万円台になり、60歳頃まで、おおむね年齢が上がるごとに年収が増加していきます。
年齢別歯科医師の年収
年齢 | 年収 |
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25~29歳 | 464万3,300円 |
30~34歳 | 666万6,700円 |
35~39歳 | 996万3,600円 |
40~44歳 | 1031万8,300円 |
45~49歳 | 1254万6,400円 |
50~54歳 | 1085万0,300円 |
55~59歳 | 1209万7,900円 |
60~64歳 | 1047万4,800円 |
70歳~ | 585万1,600円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
平均年収の推移
歯科医師の平均年収の推移は、2005年から2020年の16年間で、最高が2005年の904万8,000円、最低が2006年の549万3,000円と差があります。年によってバラつきはあるものの、傾向としては高い平均年収を維持しています。
歯科医師年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
開業医と勤務医の年収の違い
ここ数年の厚生労働省「医療経済実態調査」を見ると、医療法人の院長の平均年収は、1,200~1,400万円(賞与込み)となっています。一方で、個人の歯科医師の平均年収は500~600万円台となっています。ただし、個人の場合は、年齢や性別、フルタイムで勤務しているか否かといった就業状況は明らかではありません。研修医や休業中の歯科医師も含まれるためあくまで参考値となります。
開業する歯科医師は全体の56%におよびます。働き盛りの50~60代では、約70~80%が開業歯科医師です。現役で働く歯科医師の多くは1,000万円を超える高収入を得ていることがわかります。
月給
歯科医師の平均月給は、62万2,900円です。時間外勤務などの諸手当が1万7,000円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。
歯科医師の月給
組織規模 | 5〜9人 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1,000人以上 |
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月給 (手当込み) | 66万8,600円 | 65万1,800円 | 64万7,800円 | 53万0,000円 |
月給 (手当含まず) | 66万8,600円 | 65万0,600円 | 64万2,200円 | 49万9,200円 |
平均年齢 | 49.5 | 37.8 | 42.2 | 37.2 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
歩合制
歯科医院では、毎月の給与額が決められている固定給ではなく、歩合給の制度をとるところもあります。自分が担当した診療の売上のうち、規定の割合の金額を受け取る制度で、実際に働いた量や技術に応じて給料が変わるので、モチベーションの維持・向上につながります。毎月の決まった給与額に歩合給分を加算する固定給プラス歩合給の形で運用する歯科医院もあります。
賞与・ボーナス
歯科医師の賞与は、従業者が10人以上いる事業所の平均で62万9,300円です。賞与額は病院やクリニックなどの経営状況などに大きく左右されます。従業員が1,000人以上いる事業所の平均支給額は116万9,700円で、1,000人未満の事業所に比べて高くなっています。
歯科医師の賞与・ボーナス
組織規模 | 5〜9人 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1,000人以上 |
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ボーナス | 3万9,000円 | 33万1,300円 | 125万6,700円 | 116万9,700円 |
年齢 | 49.5 | 37.8 | 42.2 | 37.2 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
時給
歯科医師の時給の平均は、5,832円です。事業規模別に見ると、従業員が10〜99人の事業所で6,111円、100〜999人の事業所で9,535円、1,000人以上の事業所で2,705円となっています。
歯科医師の時給
組織規模 | 10〜99人 | 100〜999人 | 1,000人以上 | 全事業者平均 |
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時給 | 6,111円 | 9,535円 | 2,705円 | 5,832円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
公務員の給与
公務員として働く歯科医師の月額給与は、56万5,131円(医師・歯科医師区分)です。これは扶養手当と地域手当を合算した平均基本給月額となっています。
そのほか、へき地への勤務者などに支給される「初任給調整手当」や、特別な手当てを要する危険や困難が伴う勤務などに対して支給される「特殊勤務手当」などを合算すると、給与月額合計は110万1,155円となります。
医師・歯科医師の地方公共団体職員平均給与額 | |
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給料月額 | 49万6,013円 |
扶養手当 | 1万964円 |
地域手当 | 6万794円 |
平均基本給月額(合計) | 56万5,131円 |
厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」より
手当・福利厚生
給料には各種手当も含まれます。通勤手当、時間外手当(残業手当)、休日出勤手当、家賃補助などの住宅手当、役職手当などがあり、病院や歯科医院が独自に取り決めます。
グッピーの調査では、新卒採用を行っている歯科医院のうち、約85%が社会保険(健康保険と年金)を完備(社保完)しています。就職先が社会保険を完備していない場合は、個人で国民健康保険や国民年金に加入することになります。
社会保険完備の歯科医院の割合
GUPPY調べ