パート勤務の歯科助手の給料はどれくらい？地域別の平均時給や傾向を徹底解説

歯科医院にて、歯科医師や歯科衛生士のサポートをすることで歯科診療を支えるのが歯科助手の仕事です。歯科医師や歯科衛生士のように国家資格を持っていなくても働くことができ、未経験から医療分野に携われるという魅力があります。パート・アルバイトの求人も数多く、短時間勤務からチャレンジしてみたり、子育てや家事の合間を縫って勤務したりすることもできます。では、パート・アルバイトで歯科助手として勤務する場合、時給はどれくらいになるのでしょうか。

歯科助手の給料相場とは？

歯科助手の平均時給

パート・アルバイトで働く歯科助手の平均時給は、全国平均で1,248円～1,509円 ほどです。 東京は全国平均に比べて約100円ほど高く、下限が1,326円、上限が1,630円となっています。 大阪は、下限が1,197円、上限が1,488円です。

2024年度の「地域別最低賃金 答申状況」によると、全国の最低賃金の加重平均は1,055円 となっており、歯科助手の平均時給の下限はそれよりも約200円高い水準にあります。

（※以下の表は2024年・2025年のGUPPY求人データをもとに作成。）

歯科助手の地域別の時給相場

歯科助手の平均時給を地域別に見た場合、2025年データでは、上限値、下限値ともに関東が全国で最も高くなっています。

歯科助手の時給の推移

賃金構造基本統計調査の「その他の保健医療サービス職業従事者」を参考にすると、平均時給は 2021年から2022年にかけて上昇 していることがわかります。 その後、2023年には 1,070円と大きく減少したものの、2024年には 1,281円まで再び上昇しています。

この平均時給は「歯科助手のみ」のデータではなく、「その他の保健医療サービス職業従事者」全体の平均であるため、歯科助手の実際の時給とは多少異なる可能性があります。

歯科助手の給料は何で決まる？

歯科助手の給料は、働く場所や学歴、専門資格の有無などによって変動します。

ここでは、歯科助手の給料に影響を与える代表的な要素を解説します。

勤務する地域

歯科助手の平均時給額は、地域によって300円から400円ほどの差があります。そのため、時給を上げたいと思った場合には、地域を広げて勤務先を検討してみるのも一つの手です。

一般的に都心部のほうが時給は高い傾向にありますが、地方でも歯科助手が不足している地域では時給を高く設定している場合があります。求人情報を見る際には、居住地と隣接する都道府県などもチェックしてみるといいでしょう。

資格の有無

歯科助手の仕事は、未経験・無資格でもチャレンジできる仕事のため、ベースとなる時給は高くは設定されていないことがほとんどです。しかし、歯科助手に関連する資格を持っていたり、働きながら取得したりすると、その専門性ややる気が評価され、時給が高くなることがあります。

代表的な資格としては以下のようなものがあります。

• 日本歯科医師会認定「歯科助手資格認定制度」
• 医療福祉教育振興グループ「歯科助手検定試験」
• 「歯科医療事務管理士(R)技能認定試験」
• 「認定歯科助手」
• 「歯科医療事務検定」

学歴

最終学歴が高校なのか大学なのかによっても、平均的な時給の額が変わることがあります。入社当初の時給の額は一緒だとしても、その後昇給や昇格をする可能性が大卒のほうが高いためです。ただし、多くの歯科医院では学歴による時給の差は設けていません。資格取得や新人教育などを任されるようになると、その頑張りが評価されて時給が上がっていくでしょう。

経験年数

経験年数によっても、平均時給の額には差があります。
多くの歯科医院の昇給制度は、長く勤めれば勤めるほど時給がアップするようになっています。
歯科医院によって異なりますが、半年ごと・1年ごとに昇給するケースもあります。
また、未経験でも始められる仕事だからこそ、経験者は転職時に優遇される傾向があります。

給料体系

歯科医院の中には、歩合制やインセンティブ制度を設けているクリニックもあります。
そうした場合、成果を上げることで時給に加えて収入を得ることが可能です。
評価項目には「自由診療メニューの契約獲得」や「デンタルケア商品の販売」などがあります。

歯科助手が給料アップを目指すには

パート・アルバイトで働く歯科助手が給料をアップしたい場合、次の3つの方法が代表的です。

現在の職場で経験年数を増やし昇給を目指す

歯科助手としての経験が浅い場合には、まずは長く勤めて経験を積むことで昇給を狙いましょう。歯科助手は短期間で退職する人も一定数いるため、継続して勤務するだけでも評価されやすい仕事です。また、受付業務やカウンセリングなど幅広い業務を担当できるようになれば、昇給交渉や転職時にも有利に働きます。

資格を取得して昇給・昇格を目指す

歯科医院によっては、資格取得により資格手当を支給したり、昇給・昇格の条件としたりしています。

そのほか、自由診療系クリニックでは「トリートメントコーディネーター」や「歯並びコーディネーター」などの資格も有利です。さらに、確実に年収アップを目指す場合には歯科衛生士資格の取得も選択肢に入ります。

転職をして年収アップを目指す

ある程度の経験を積んだ歯科助手は、より好条件の歯科医院に転職することで時給アップを狙うこともできます。全国には約7万軒の歯科医院があり、人手不足の医院も少なくありません。経験やスキルを活かして交渉すれば、より高時給での勤務が可能です。また、歩合制・資格手当・家賃補助などを導入している医院もあるため、時給以外の待遇面もチェックしてみましょう。