管理栄養士の年収は?2025年版:ボーナス、初任給、栄養士との違いなど給料調査
💡このような方におすすめの内容です
・管理栄養士の年収の推移、給料UP要因を知りたい
・管理栄養士の初任給やボーナス、時給が知りたい
・職場別の給料について知りたい
管理栄養士の平均年収は394万2,600円(2025年厚生労働省公開データ)、月給は各種手当込みで27万4,000円、ボーナスの平均は65万4,600円となっています。初年度の年収はおおよそ264万円程度で、そこから50歳代にかけて400万円超まで増加していく傾向にあります。
また、管理栄養士の年収は就職先/職域によって差があることもわかっています。
なお、管理栄養士の給料水準は公的に「管理栄養士の給与」として発表されているものはないため、常勤「栄養士」の項を参照して紹介します。
| 管理栄養士の給料相場 | |
|---|---|
| 年収 | 394万2,600円 |
| 月給 | 27万4,000円 |
| 賞与・ボーナス | 65万4,600円 |
| 初任給 | 22万円 (2025年公開「令和6年賃金構造基本統計調査」より、「栄養士」としての数字) |
| 時給 | 1,519円 |
(令和6年賃金構造基本統計調査)
今回の 教えてグッピー管理栄養士 では、管理栄養士の初任給や規模別・年齢別の年収、月給、賞与、手当などについて見ていきます。
目次
管理栄養士の年収
管理栄養士/栄養士の平均年収は、394万2,600円(2024年調査、10人以上の事業所の平均)で、過去17年で40~50万円ほど上昇しています。事業所の規模別に見ると従業員が1,000人以上の事業所で平均年収が419万4,500円と最も高く、規模が大きな施設のほうが給与水準が高い傾向が現れています。
就職先、職域別の年収
令和3年度の「管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査」(対象8,227名)によれば、管理栄養士の年収は職域によって大きく異なります。特に「研究・教育」(550万円)、「食育・教育」や「行政」(各450万円)が高水準で、公務員や教育関係の職域が年収を押し上げていると見られます。一方、「医療」「福祉」「企業」などは350万円と平均的で、フリーランスは150万円と低水準です。収入は資格だけでなく、職域に大きく左右される傾向が明らかになりました。
| 職域 | 年収中央値(万円) | 備考 |
|---|---|---|
| 医療 | 350万円 | 病院・クリニック等 |
| 福祉 | 350万円 | 介護施設、障害者施設など |
| 食育・教育 | 450万円 | 栄養教諭、学校栄養職員等(公務員比率高) |
| 給食 | 350万円 | 給食委託会社、社員食堂等 |
| 行政 | 450万円 | 保健所、市町村保健センター等 |
| 企業 | 350万円 | 食品・製薬・保健施設など多様 |
| 研究・教育 | 550万円 | 養成施設、研究機関等 |
| フリーランス等 | 150万円 | 地域活動、自営など |
| その他 | 350万円 | - |
年齢別の年収
管理栄養士/栄養士の年齢別収入をみると、50歳代ぐらいまでは年齢を重ねるごとに収入が増加していく傾向が見られます。「20〜24歳」では288万円から始まり、30歳代から40歳代にかけて徐々に収入が上昇し、「50~54歳」で423万4,700円とピークを迎えます。その後、「55~59歳」でやや減少し、「65~69歳」では319万0,200円、「70歳以上」では271万1,000円と、60歳代以降は勤務形態の多様化や勤務時間の減少により平均年収は低下していきます。
管理栄養士の年収(年齢別)
| 年齢階級 | 月給(所定内給与) | 賞与・ボーナス | 推計年収 |
|---|---|---|---|
| ~19歳 | 23万4,400円 | 28万3,000円 | 283万4,000円 |
| 20~24歳 | 23万0,900円 | 28万8,000円 | 288万0,000円 |
| 25~29歳 | 23万5,400円 | 52万6,100円 | 292万0,900円 |
| 30~34歳 | 25万1,300円 | 65万6,000円 | 316万8,600円 |
| 35~39歳 | 27万3,800円 | 75万2,900円 | 353万8,500円 |
| 40~44歳 | 26万5,900円 | 81万4,100円 | 378万6,900円 |
| 45~49歳 | 27万9,300円 | 85万5,000円 | 412万0,600円 |
| 50~54歳 | 28万1,300円 | 86万9,100円 | 423万4,700円 |
| 55~59歳 | 27万7,000円 | 91万8,000円 | 404万2,000円 |
| 60~64歳 | 24万6,600円 | 79万5,100円 | 374万5,300円 |
| 65~69歳 | 21万1,600円 | 64万6,000円 | 319万0,200円 |
| 70歳~ | 18万5,400円 | 45万7,400円 | 271万1,000円 |
厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』より
Q. 歯科医院で管理栄養士が活躍できる仕事は?
近年、歯科医院では「食べる」「咬む」機能を支えるために、口腔機能訓練や栄養指導に取り組むところが増えています。
管理栄養士がチームの一員として、摂食嚥下や生活習慣の改善に関わるケースも多く、医科と歯科の連携が進む中で注目されています。
管理栄養士の求人をみる →
平均年収の推移
賃金構造基本統計調査による栄養士の平均年収は、2014年まで350万円前後で推移し、2024年で330万2,400円となり、2024年には394万2,600円へと上昇。10年間で約1.19倍(19.4%増)となっています。
過去15年間を5年ごとに区切って平均を比較すると、2010年〜2014年の平均は329万6,620円、2015年〜2019年は346万5,620円、2020年〜2024年は381万720円と、近年は上昇傾向がより明確になっています。
管理栄養士/栄養士 年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
規模別の年収
管理栄養士/栄養士の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、従業員が1,000人以上の大規模事業所で419万4,500円と最も高く、次いで100〜999人の事業所が383万6,800円、10〜99人の事業所が384万9,200円となっています。最も規模の小さい5〜9人の事業所では342万6,600円にとどまり、規模が小さくなるほど給与水準が低下する傾向が見られます。
勤務先規模別 管理栄養士の年収
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
管理栄養士の初任給
管理栄養士/栄養士の平均初任給(勤務経験0年の栄養士の平均給与)は、厚生労働省の調査によると20〜24歳で諸手当を除いた月給が22万円、年収換算で264万4,600円となっています。年齢を問わず全体で見ると、月給が23万9,900円、賞与・ボーナス等が4万7,900円、年収換算で292万6,700円となっています。
管理栄養士/栄養士の初任給
| 年収 | 月給 | 賞与・ボーナス |
|---|---|---|
| 264万4,600円 | 22万円 | 4,600円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
管理栄養士と栄養士の職域の違いと給料
令和3年度の管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査(対象8,227名)によれば、管理栄養士と栄養士の年収中央値はともに350万円で大差はみられませんでした。
ただし、栄養士は公務員比率の高い「食育・教育」職域に多く従事しており高年収傾向にあります。一方、管理栄養士は医療や福祉など多様な職域に分散し、専門性は高いものの年収は平均的です。資格以上に職域が収入に影響していると示唆されます。
| 比較項目 | 栄養士 | 管理栄養士 |
|---|---|---|
| 年収中央値 | 350万円 | 350万円 |
| 高収入の要因 | 食育・教育(公務員中心) | 学歴や職域で差が出る。医療職が最多 |
| 主な職域 | 学校、公務員 | 医療、福祉、行政など多様 |
| まとめ | 公務員基準が給与を押し上げ | 専門性は高い、給与は職域による |
参考:管理栄養士/栄養士の就職先の割合
| 職域 | 栄養士 | 管理栄養士 | ||
|---|---|---|---|---|
| 対象者数 | 割合 | 対象者数 | 割合 | |
| 医療 | 49 | 3.0% | 2,849 | 43.3% |
| 福祉 | 89 | 5.4% | 1,172 | 17.8% |
| 食育・教育 | 1,279 | 77.6% | 486 | 7.4% |
| 給食 | 140 | 8.5% | 221 | 3.4% |
| 行政 | 59 | 3.6% | 872 | 13.3% |
| 企業 | 21 | 1.3% | 388 | 5.9% |
| 研究・教育 | 8 | 0.5% | 462 | 7.0% |
| フリーランス等 | 2 | 0.1% | 109 | 1.7% |
| その他 | 1 | 0.1% | 20 | 0.3% |
管理栄養士の月給
管理栄養士/栄養士の月給は、平均27万4,000円です。この中には時間外勤務などの諸手当が1万5,600円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が手取りとして支給されます。当調査の対象者の平均年齢は37.5歳、平均勤続年数は8.4年です。この調査には栄養士の月給も含まれているため、管理栄養士のものとして考えた場合は、これより若干高水準になると考えられます。
また、事業規模別に見ると、従業員数が少ない医療機関や事業所では平均年齢が高い一方で平均月給が低く、逆に従業員数の多い施設では平均年齢が低く、平均月給が高い傾向が見られます。
管理栄養士の月給
| 組織規模 (従業員数) | 10人以上 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 |
|---|---|---|---|---|
| 月給 (手当込み) | 27万4,000円 | 25万9,200円 | 26万7,700円 | 29万6,300円 |
| 月給 (手当含まず) | 25万8,400円 | 25万3,300円 | 25万4,200円 | 26万9,400円 |
| 平均年齢 | 37.5 | 40.4 | 37.7 | 34.7 |
| 勤続年数 | 8.4 | 9.1 | 8.3 | 7.9 |
2025年公開:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
Q. 子育てと両立できる職場を探しています
A. 勤務時間が短い・残業なしなどの条件がそろうと、家庭と両立しやすいです。特に介護・福祉施設や病院では、子育て世代向けの勤務形態を導入しているところが増えています。
賞与・ボーナス
管理栄養士/栄養士の賞与は、従業員が10人以上いる事業所の平均で年65万4,600円です。規模別に見ると、従業員数が10〜99人の施設では73万8,800円、100〜999人の施設では62万4,400円、1,000人以上の施設で63万8,900円と、事業所の規模と賞与の額に明確な相関関係は見られません。
栄養士の賞与・ボーナス
| 組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|
| 賞与・ボーナス | 73万8,800円 | 62万4,400円 | 63万8,900円 | 65万4,600円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
時給
短時間で働く栄養士の時給の平均は1,519円です。事業所の規模別では、従業員数が10〜99人の小規模事業所で1,505円、100〜999人の事業所で1,511円、1,000人以上の事業所で1,544円となっています。規模が大きくなるにつれて時給額は高くなっていくものの、その額の差は大きくありません。
短時間勤務の栄養士の時給
| 組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|
| 短時間勤務の 栄養士の時給 | 1,505円 | 1,511円 | 1,544円 | 1,519円 |
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より
公務員として働く栄養士の給与
公務員として行政機関で働く管理栄養士の数は、病院や介護保健施設等に比べるとあまり多くはありません。勤務地は都道府県庁や市役所、保健所、保健センターなどが挙げられ、その他には公立学校や自衛隊などで働く栄養士も存在しています。それらの職場では食生活を通じて人々の健康的な生活を守るため、栄養指導や献立作成、食材の発注などを行う業務が中心となっています。
給与水準は行政栄養士だけをまとめた調査がないため、地方公務員給与実態調査における医療技術職を参考にすると、基本給にあたる給料月額が33万7,150円、その他の手当を合算すると36万949円となります。ただしこの項目には薬剤師等の職種も含まれているため、管理栄養士はもう少し低い金額だと考えられます。
| 医療技術職の地方公共団体職員平均給与額 | |
|---|---|
| 給料月額 | 33万7,150円 |
| 諸手当合計 | 2万3,798円 |
| 平均基本給月額(上記計) | 36万949円 |
(令和5年地方公務員給与実態調査)
福利厚生・手当
病院や介護保健施設に勤務する管理栄養士には、月々の給与とは別に社会保険や通勤手当などの福利厚生が支給されます。一般的には「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険などがあり、これらは事業者が必ず一定程度の負担を行います。さらには法定福利以外の手当である「法定外福利」には、住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、院内保育所を含む託児所・保育所など、さまざまな手当があり、各事業所で給与以外に管理栄養士の「働きやすさ」に対する取り組みが行われています。
Q. 福利厚生がしっかりした職場で働きたいです
A. 住宅手当・資格手当・育児支援などの制度が整っている職場は、長期的に安心して働けます。大規模法人や病院勤務、公務員採用では福利厚生が充実しているケースが多いです。
給与アップの可能性:活躍の場とともに広がる
他の医療職と比較して高い方ではないが、医療の現場においては栄養ケアが重視され、生活者の食の安全・栄養への関心も深まっているため、栄養の専門職への評価は今後高まっていくでしょう。給与への反映も期待したい。「管理栄養士」としての公式な統計は発表されていませんが、栄養士と比べると、仕事の専門性が高い分、給与も高くなると推測されます。
病院や給食施設だけでなく、歯科医院や薬局、健康関連施設、食品関連企業など、管理栄養士の活躍場所は広がっています。多くの先輩達が、新しい職場で活躍し職域を広げてきた結果と言えます。そういう意味でも就職先を選ぶ際には、自分が管理栄養士としていかに活躍、成長できるのか考えることは意義があります。
また3年後・5年後の給与モデルも参考にし、個人としてどのようなスキルを身につけられるかなど、幅広い観点で将来を見通しながら自分に合った就職先を探すことは意識したいポイントでしょう。

