幼稚園教諭の年収・給料・賞与(ボーナス)
厚生労働省が発表する、令和5年賃金構造基本統計調査の「幼稚園教員、保育教諭」の項を参照すると、平均年収は407万5,600円、月給は各種手当込みで27万2,300円、賞与・ボーナスの平均は80万8,000円となっています。
初年度の年収はおおよそ260万円程度とされており、そこから年齢・経験を重ねるごとに上昇し、50歳代〜60歳代には400万円台後半まで年収が増加する傾向があります。
また行政では、幼稚園教諭等の給与改善を目的とした施策が進められており、勤務先が「処遇改善等加算」に対応している場合、主任やリーダーといった役職に応じて加算支給されるケースがあります。そうした制度を導入している就業先では、実際に給与アップにつながることもあるでしょう。
| 幼稚園教諭の給料相場 | |
|---|---|
| 年収 | 407万5,600円 |
| 月給 | 27万2,300円 |
| 賞与・ボーナス | 80万8,000円 |
| 初任給 | 21万4,600円 (「令和5年賃金構造基本統計調査」より、「幼稚園教諭」としての数字) |
| 時給 | 1,287円 |
(令和5年賃金構造基本統計調査)
今回の 教えてグッピー幼稚園教諭 では、幼稚園教諭の初任給や規模別・年齢別の年収、月給、賞与、手当などについて見ていきます。
目次
幼稚園教諭の初任給
厚生労働省の調査によると、幼稚園教諭の平均初任給(勤務経験0年の幼稚園教諭の平均給与)は、20〜24歳の諸手当を除いた月給で21万4,600円、年収換算では261万4,000円となっています。
また、年齢を問わず初任者全体の平均では、月給が22万4,700円、賞与・ボーナスが8万6,800円、年収換算で278万3,200円とされています。
幼稚園教諭の初任給
| 年収 | 月給 | 賞与・ボーナス |
|---|---|---|
| 261万4,000円 | 21万4,600円 | 3万9,000円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
幼稚園教諭の年収
令和5年賃金構造基本統計調査によると、幼稚園教諭の平均年収は407万5,600円(2023年、10人以上の事業所)で、過去15年の調査結果では330万円〜390万円程度を推移していた中で、比較的高い水準となっています。
事業所の規模別に見ると、従業員が1,000人以上の事業所で464万9,000円がもっとも高く、続いて10〜99人の事業所で407万9,300円となっており、全体の平均値を上回っています。
規模別の年収
「幼稚園教諭」の平均年収を勤務先の規模別に比較すると、従業員が1,000人以上の事業所で464万9,000円、次いで10〜99人の事業所で407万9,300円が高くなっています。
従業員数が多いほど経験豊富な幼稚園教諭の割合も高まり、平均年収が引き上げられる傾向があります。一方で、少人数の事業所であっても、一人あたりの業務範囲や勤務時間が広がることで、年収が高くなる場合もあります。
勤務先規模別 幼稚園教諭の年収
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
年齢別の年収
幼稚園教諭の年齢別収入をみると、キャリアを積めば積むほど収入が増加していく傾向があります。年代ごとに見ると、キャリアをスタートする20〜24歳で314万7,800円、30代後半からは400万円台を推移しています。幼稚園教諭は経験を積むことで専門性が高まり、より高度な教育技術を身につけて、職務に対するスキルや知識が高まります。教育現場で実績を積むことで、社会的な信頼性や評価が高まり、その結果、年収も高くなる傾向があります。また50歳代以降は園長など、全体を統括する役割も担うことが増えてくるため、その分収入も増加していきます。
幼稚園教諭の年収
| 年齢 | 年収 |
|---|---|
| 20~24歳 | 314万7,800円 |
| 25~29歳 | 367万3,600円 |
| 30~34歳 | 389万1,700円 |
| 35~39歳 | 416万8,600円 |
| 40~44歳 | 422万6,400円 |
| 45~49歳 | 438万2,300円 |
| 50~54歳 | 481万1,300円 |
| 55~59歳 | 467万8,900円 |
| 60~64歳 | 477万1,800円 |
| 65~69歳 | 450万8,600円 |
| 70歳~ | 606万9,600円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
幼稚園教諭の平均年収の推移
賃金構造基本統計調査による幼稚園教諭の平均年収は、2008年から10年間はおおよそ330万〜340万円を推移していましたが、2019年に幼稚園保育料の値上げと共に、幼稚園教諭の待遇も見直され、また国の働き方改革よって労働環境の見直しが図られたことで、給与水準が上昇しました。また幼稚園教諭の人材不足が深刻化しており、幼稚園教諭の待遇改善が進められているため、近年では平均年収も上昇傾向にあります。
幼稚園教諭 年収推移
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より
幼稚園教諭の月給
幼稚園教諭の月給は、平均27万2,300円です。この中には時間外勤務などの諸手当が5,100円含まれており、ここから所得税や社会保険料などを引いた額が月給として支給されます。この調査における対象者の平均年齢は38.3歳、平均勤続年数が9.9年です。
事業規模別に見ると、従業員数が1,000人以上の事業所の平均月給が30万3,000円でもっとも高くなっており、平均勤続年数も11.3年とやや長めです。一方、5〜9人の小規模事業所では平均月給は25万円でもっとも低いですが、平均勤続年数は11.7年ともっとも長くなっています。
幼稚園教諭の月給
| 組織規模 (従業員数) | 5~9人 | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 10人以上の事業所平均 |
|---|---|---|---|---|---|
| 月給 (手当込み) | 25万円 | 27万1,000円 | 27万4,600円 | 30万3,000円 | 27万2,300円 |
| 月給 (手当含まず) | 24万4,900円 | 26万6,200円 | 26万9,000円 | 29万5,300円 | 26万7,200円 |
| 平均年齢 | 41.0歳 | 38.6歳 | 37.2歳 | 39.0歳 | 38.3歳 |
| 勤続年数 | 11.7年 | 10.2年 | 8.8年 | 11.3年 | 9.9年 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
賞与・ボーナス
幼稚園教諭の賞与は、従業員が10人以上いる事業所の平均で年間80万8,000円です。従業員数1,000人以上の事業所では101万3,000円ともっとも高く、100〜999人の事業所では72万3,500円となり、もっとも低い平均賞与額となっています。
幼稚園教諭の賞与・ボーナス
| 組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|
| 賞与・ボーナス | 82万7,300円 | 72万3,500円 | 101万3,000円 | 80万8,000円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
時給
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、短時間で働く幼稚園教諭の平均時給は1,287円となっています。
事業所の規模別に見ると、従業員数が10〜99人の事業所では1,274円、100〜999人の事業所では1,329円、1,000人以上の事業所では1,398円と、規模が大きくなるにつれて時給も高くなる傾向がみられます。
これは、従業員が多いほど処遇の整備や給与水準の改善が進んでいる可能性があるためと考えられます。短時間勤務を希望する方にとっては、勤務先の規模も就業条件を検討するうえで大切なポイントです。
短時間勤務の幼稚園教諭の時給
| 組織規模 (従業員数) | 10~99人 | 100~999人 | 1,000人以上 | 全事業所平均 |
|---|---|---|---|---|
| 短時間勤務の 幼稚園教諭の時給 | 1,274円 | 1,329円 | 1,398円 | 1,287円 |
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より
公務員として働く幼稚園教諭の給与
幼稚園教諭が公務員として働く場合、市区町村の教育委員会が管理する公立幼稚園、または都道府県が運営する幼稚園での勤務になります。
給与水準は、地方公務員給与実態調査における「幼稚園教育職」のデータを参考にすると、基本給にあたる給料月額は30万4,415円、各種手当を含めた合計月額は32万4,718円となっています。
なお、諸手当の合計は2万303円であり、勤務する地域や職務の専門性、責任の大きさなどによって金額は変動する可能性があります。
| 幼稚園教育職の地方公共団体職員平均給与額 | |
|---|---|
| 給料月額 | 30万4,415円 |
| 諸手当合計 | 2万303円 |
| 平均基本給月額(上記計) | 32万4,718円 |
(令和5年地方公務員給与実態調査)
福利厚生・手当
従業員及びその家族の生活を支援するために各種の福利厚生が提供されます。「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険など、「法定外福利」と呼ばれる住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇など、生活に不安を感じることなく仕事に専念できるよう、また従業員のモチベーション向上のために、様々な福利厚生を利用することができます。また教育現場で必要な知識や技術を身につけるために、教育委員会や教育研究所、あるいは学校や法人での研修が開催されています。
近年、各世代のニーズに合わせた新しい働き方や、教員の労働環境の改善を目的とした制度が導入されています。その制度には職務分掌の見直しや、勤務時間の短縮、賞与の増額などが含まれており、幼稚園教諭の労働環境が改善され、福利厚生も充実する傾向にあるとされています。