介護福祉士の実務者研修とは?資格取得方法や内容について紹介 | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー

介護福祉士の実務者研修とは?資格取得方法や内容について紹介
介護福祉士の実務者研修とは?資格取得方法や内容について紹介

介護関係の仕事に関心があるなら、介護福祉士実務者研修資格を取得しておきましょう。介護福祉士は多方面でニーズがあり、実務経験を積んでいくことで、キャリアアップも期待できます。高齢化が進む中、介護は求人の多い分野ですから、取得しておいて損のない資格です。この記事では、介護福祉士実務者研修資格について、資格の概要や取得の方法などについて解説します。

介護福祉士実務者研修資格とは?

介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法に基づく介護分野の国家資格です。介護に関する専門知識や技術を駆使して、介護を必要とする高齢者や障害者の日常生活を介助したり、家族の介護をしている人にアドバイスをしたりするのが介護福祉士の仕事だと、同法律の第2条で定義されています。しかし、介護福祉士に求められる役割は、法律制定から長い年月が経つと共に変化してきました。単に日常生活の介助をし、介護をする家族の相談を受け、助言を与えられるというだけでは足りなくなったのです。高齢者や障害者の生活全般を支え、介護を行う家族と共に自立に向けた支援を行うために必要な知識やスキルを、さらに身につける必要が出てきました。

介護福祉士は、介護サービスの質を向上し、安定的に提供できるようにするために、十分な能力を持った人材を育てるために設けられた資格です。かつては「ホームヘルパー1級」という名称でしたが、その後継資格というだけではありません。必要とされるスキルレベルがそれ以上に引き上げられています。もともと、介護福祉士は誰もが受験できるという資格ではありません。介護福祉士を目指すためには、受験資格を満たすことが必要です。具体的には、介護福祉士を受験するための指定科目を、4年間かけて大学で学ぶか、国が指定する養成施設でカリキュラムを修了することが求められていました。

しかし、2017年以降は、大学や養成施設でのカリキュラム修了と3年の実務経験だけでは介護福祉士の国家試験を受けられないようになりました。介護福祉士国家試験の受験資格を得るために、介護福祉士実務者研修の受講と修了が義務付けられたからです。介護福祉士実務者研修で求められる到達目標の水準は高く、介護福祉士養成校の養成課程で2年以上かけて到達するレベルを目指します。

介護福祉士の実務者研修とは?資格取得方法や内容について紹介

介護利用者のニーズが多様化するにつれ、介護福祉士に求められる能力も変化したためです。求められる仕事内容が変化してきたことにより、介護福祉士自らが課題を見つけ、制度改正を理解し、技術や知見を磨くという能力を持つことも期待されるようになりました。介護福祉士の国家資格を得るために介護福祉士実務者研修が義務付けられるようになった背景にも、ただ必要な知識やスキルを身につけただけでは、提供できる介護サービスに限りがあるためです。

介護福祉士の目指し方は、介護福祉士実務者研修を受講する以前に、どのレベルまで資格を取得しているかによって異なります。かつてのホームヘルパー1級や介護職員基礎研修を修了している場合は、多くの科目が免除されるので、短期間で受験資格を得ることが可能です。ただし、医療的ケアの座学と演習は受けなくてはなりません。ホームヘルパー1級修了者で95時間、介護職員基礎研修修了者で50時間の医療的ケア講義の受講と16時間の医療ケア演習が必須です。修了までは介護職員基礎研修修了者で1カ月程度、ホームヘルパー1級修了者で2カ月程度かかります。

旧ホームヘルパー2級や介護職員初任者研修の修了レベルの場合は、免除される部分が少ないので、研修にかかる時間も長くなります。どちらの場合も、320時間の医療的ケアの受講と16時間の医療ケア実習が必要なので、研修修了までは4カ月程度かかるでしょう。無資格から目指す場合は1からの学習になるため、さらに時間が必要です。16時間の医療ケア実習のほかに、450時間の医療的ケア講義の受講が必要なため、終了までは6カ月は最低でもかかることになります。

それでも、介護福祉士は介護職の中でも需要の高い資格です。長く介護福祉の仕事を続けるなら、将来的なステップアップのためにも取っておいた方が良いといえます。誰でも取れる資格ではないというところが、特におすすめしたいポイントです。国家資格ですし、持っていることが介護業界内での信用につながります。取得するまでは時間のかかる資格ですが、時間をかけてでも取得する価値はあるはずです。

実務者研修と初任者研修の違い

介護福祉士実務者研修と介護職員初任者研修とでは、大きな違いがあります。主な違いは以下の5つです。

修了までに要する科目数と受講時間

介護職員初任者研修で学習する科目は、全部で9科目です。

1職務の理解

介護職の種類と介護職が行うサービス、介護サービスを行う施設などについて、職務内容を学ぶ科目です。修了後に就くことになる介護職全般について理解します。

2介護における尊厳の保持・自立支援

介護する立場として、あらかじめ知っておくべき、介護される方やその家族の尊厳や権利に関する科目です。利用者の能力に応じたサービスを行えるように、自立支援に関する理念についても学びます。

3介護の基本

介護を実践するうえで必要になってくる職業倫理や、リスクマネジメント、他職種との連携などについての基本を学ぶ科目です。介護職の専門性についても学びます。

4介護・福祉サービスの理解と医療との連携

介護職として働くうえで遵守が求められる介護保険制度や、障害者総合支援制度などについて学習する科目です。制度の理念や仕組みを理解します。また、実務では医療やリハビリテーションなどとの連携が欠かせないため、どのように連携を取るのが望ましいかということについても学びます。

5介護におけるコミュニケーション技術

介護職員の仕事は人を相手にするものです。介護を受けるサービス利用者や、日常的な介護を行う家族に対するコミュニケーションの取り方について学びます。また、介護職員同士で情報を共有したりコミュニケーションを取ったりすることの重要性についても学習する科目です。

6老化の理解

加齢によって人間の身体や心はどのように変化していくのか、病気の症状をどのように訴える傾向があるのかなどを学びます。老化がどのように日常生活へ影響するのかを理解するために必要な教科です。

7認知症の理解

認知症に関する基礎知識を得て、心身にどのような変化がもたらされ、生活にどのような影響が出るのかを理解します。認知症の人が必要とする健康管理やケアを行えるようにするために学習します。

8障害の理解

障害福祉の基本について学ぶ科目です。障害者がどのような心理状態でいるのか、どのような行動に出ることが多いのかということを学び、障害者本人や家族への支援が行えるようにします。

9こころとからだのしくみと生活支援技術

介護をするうえで知っておくべき人体の構造や機能について学ぶ科目です。入浴の介助や衣服の着脱介助、体位変換などを安全に行うためには、関節の可動範囲や、無理のない方法などを正しく理解しておく必要があります。基本的な介護技術を身につける実技演習なども含む科目です。介護職員初任者研修に要する130時間の半分以上に当たる75時間を割いて行います。

それに対して、介護福祉士実務者研修では20科目の受講が求められます。介護職員初任者研修の9科目に要する時間は130時間ですが、科目数が2倍以上に増え、要する時間は450時間です。ただし、既に介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー2級を修了している場合は、130時間分の受講が免除されるので、11科目320時間の研修となります。

習得できる知識やスキルのレベル

介護福祉士実務者研修はかつてのホームヘルパー1級、介護職員初任者研修はかつてのホームヘルパー2級の後継資格という位置づけになっています。そのため、介護福祉士実務者研修と介護職員初任者研修とでは、習得できる知識やスキルのレベルに差があります。介護職員初任者研修は、これから介護の仕事を始めるという人が最初に受ける研修ですから、基本的なことを身につけることが中心になっていて当然です。

それに対して、介護福祉士実務者研修は、3年以上の実務経験を積んだ人が受ける研修になります。基礎は身についているのは前提条件で研修が行われるため、講習内容も高度です。具体的には、医療的ケアの分野も学習内容に含まれます。実務経験を積んだうえで必要になってくることを学ぶため、修了後に身に付く知識やスキルも初歩的なものとは比べ物にならないほど高度です。

修了試験を受ける必要があるかどうか

介護福祉士実務者研修は、修了後の試験実施が義務化されていません。試験を行うか行わないかはカリキュラムを実施しているスクールの判断次第です。それに対して、介護職員初任者研修は、全過程を修了した後に修了試験を実施することが義務づけられています。介護保険法施行規則の規定によるもので、試験実施には1週間かかります。

修了後すぐにサービス提供責任者となれるか

介護福祉士実務者研修を修了した場合は、サービス提供責任者としてすぐに働くことが可能です。ただし、同行支援や行動援助の介護事業所での業務は除きます。しかし、介護職員初任者研修の場合は、すぐにサービス提供責任者として働けるかどうかは実務経験次第です。もしも、初任者研修を修了しただけで実務経験がないという場合は、別途3年以上実務経験が求められます。介護福祉士実務者研修の場合、研修を受ける際に3年以上の実務経験が必要です。そのため、研修が終了した時点で、サービス提供責任者に必要な実務経験の条件も満たしているということになります。

介護福祉士試験を受けるまでの道のり

介護福祉士実務者研修修了は、介護福祉士の国家試験を受ける際の必須条件です。逆にいえば、介護福祉士実務者研修を修了していれば、すぐに介護福祉士の国家試験にチャレンジできるということでもあります。それに対して、介護職員初任者研修は基礎的な研修です。介護福祉士の国家試験を受けるのに必要な条件を満たしていません。3年の実務経験と医療的ケアをさらに学ぶ必要があるので、さらに4カ月程度の研修を要します。

実務研修資格を取得するメリットとは?

介護福祉士実務者研修資格を取得することには以下のような4つのメリットがあります。

給与面で優遇される

介護福祉士実務者研修は、誰もが取れるような資格ではありません。しっかり実務経験を積み、長時間の研修を受けた人だけが手にできる資格です。そのため、介護業界での信頼が厚く、持っていることが資格手当支給の対象となります。医療的なケアについての知識やスキルは、医療やリハビリテーションなど他の職種との連携を取るうえで欠かせません。介護職が他の職種と連携を取ることが求められている現状では、高度な知識とスキルを身につけた介護福祉士実務者研修修了者のニーズが高いといえます。介護サービスを行っている施設では上位資格として認知されている資格です。介護職員初任者研修修了者とは区別する形で待遇の優遇があります。

介護福祉士の国家試験を受けられる

介護福祉士は国家資格です。その受験資格として、2017年1月以降は、介護福祉士実務者研修を修了することが求められるようになりました。かつては介護福祉士の国家試験の中で実技試験が課せられていたため、実務経験があれば受験が可能でした。しかし、2017年以降はいくら長期にわたる実務経験があっても、介護福祉士実務者研修を修了していなければ、介護福祉士にはなれなくなったということです。介護福祉士は国家資格として信頼度が高く、取得すれば介護業界での評価も高まります。将来的なステップアップにも、待遇の向上にもつながる資格ですから、その受験資格を得られるということは大きなメリットといえるでしょう。

サービス提供責任者として働ける

介護福祉士実務者研修を修了した場合は、すぐにサービス提供責任者として働けるようになります。サービス提供責任者は、訪問介護計画書の作成や指定訪問介護の使用申し込みに係る調整、管理業務などに携わる職種です。サービス提供責任者となることで、介護を必要とする高齢者や障害者本人だけでなく、介護を行う家族の支援に対しても有効な支援を行うことができるようになります。サービス提供責任者は、すべての訪問介護事業所で配置が義務付けられている職種です。サービス提供責任者として働けるようになると、就職先の選択肢が増えることにもなるでしょう。

たん吸引や経管栄養に関する知識を身につけられる

介護福祉士実務者研修では、たん吸引や経管栄養など、介護の枠を超えた医療的な知識も学びます。ただし、介護福祉士実務者研修を修了しただけでは、実際にたん吸引や経管栄養を行うことはできません。実務として行えるようにするためには、さらに医師の指示を受け、看護師と連携した実地研修が必要です。しかし、介護福祉士実務者研修で医療的ケアについて学び、知識を身につけることが新しいスキルを身につける出発点になることは確かです。

実務者検定から介護福祉士の資格取得への流れ

介護福祉士実務者研修修了資格を取得する方法

介護福祉士実務者研修修了の資格を取得する方法としては、スクールに通学して全課程を修了する方法と、通信教育にスクーリングを組み合わせて修了する方法があります。研修自体は無資格からでも受講可能です。しかし、介護福祉士の受験資格を得るためには、研修終了後に実務経験を積む必要があります。

通学で介護福祉士を取得する

介護福祉士実務者研修の全過程をスクールで受けるメリットは、わからない点が出てきたとき、講師などにすぐに聞けるという点です。介護福祉士実務者研修では、医療的ケアなど介護の分野を超えた内容を学びます。初めて学ぶことが多いため、理解しづらいことも数多く出てくるでしょう。しかし、全部で20科目450時間ものカリキュラムをこなさなければならないため、研修はスピーディーに進行していきます。確認すべきことを聞かずに先に進んでしまうと、わからない状態のまま新しい知識を上に積み重ねることになってしまい、わからないことがどんどん増えてしまうことにもなりかねません。スクールで受講する場合、他の人が疑問に感じ、質問したことも共有できるので、無資格から研修を受ける人でも理解しやすいといえます。

また、同じ目標に向かって講習を受ける他の研修生と一緒に学ぶことで、資格取得へのモチベーションを保ちやすいという点もメリットです。独学ではついさぼってしまいがちという人は、スクールで全課程を学ぶ形を選んだ方が良いでしょう。

通信教育とスクーリングの組み合わせで取得する

介護の仕事をしながら介護福祉士実務者研修を受講するのは簡単なことではありません。スクールに通う時間を確保すること自体が難しいということもあるでしょう。介護の仕事をする人にとって、介護福祉士実務者研修はぜひ取っておきたい研修であることは間違いありませんが、時間と費用がかかります。どうしても介護の仕事を休めないという場合は、通信教育を利用することになるでしょう。ただし、気を付けておきたいことは、全過程を通信教育のみで修了することはできないということです。演習はスクーリングで行う必要があるので、スクーリングのための時間を確保できることを確認してから、通信教育での研修を受けなくてはなりません。

介護福祉士の国家試験を受けるには

介護福祉士の国家試験は厚生労働省が管轄する試験で、年1回行われます。行われる試験は、筆記試験と実技試験の2種類です。筆記試験では、「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」「医療的ケア」の4領域それぞれの問題と、4領域の知識や技術を横断的に判断するための総合問題が出題されます。実技試験として出題されるのは、介護等に関する専門的技能に関するものです。筆記試験は、全国の34都道府県で受けられますが、実技試験は東京都または大阪府でしか受けられません。

筆記試験は1月後半の日曜日、実技試験は3月前半の日曜日に例年行われますが、受験書類の受付は、前年の8月初旬から9月初旬の間に行われます。6月下旬には申し込み手続きの詳細が公示されるので、公示され次第申し込みに必要な書類を揃えられるようにしておきましょう。申し込みの際には実務経験証明用の書類が必要です。申し込み時点で日数が不足していても、見込みとして書類を提出しておけば、後で日数を満たした時点で再度書類を提出すれば大丈夫です。申込期間内に必要書類が揃えられなければ、受けられるのが翌年になってしまうので、早めに準備を済ませるようにしましょう。

実務者研修のカリキュラム内容とは?

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介護福祉士実務者研修で受講する科目

介護福祉士実務者研修で受講しなければならない科目は全部で20あります。科目の名称は、介護職員初任者研修とほぼ同じです。「社会の理解」「介護の基本」「生活支援技術」「発達と老化の理解」「認知症の理解」「障がいの理解」「こころとからだのしくみ」がそれぞれ1と2に、「介護過程」は1~3に分けられます。無資格からの受講者はすべての過程を450時間かけて学ぶことになりますが、かつてのホームヘルパー1級や介護職員基礎研修まで修了している人は、医療的ケアに関する座学と介護過程3、医療的ケアの各演習を受けるだけです。

それぞれの科目にかかる目安時間

介護福祉士実務者研修では、4つの分野を20科目に分ける形で学んでいきます。科目によって学習に係る目安時間が決まっているので、確認していきましょう。「人間と社会」の領域の学習にかかる時間は、「人間の尊厳と自立」と「社会の理解1」が5時間ずつと、「社会の理解2」が30時間の計40時間です。

「介護」の領域は科目数が多く、「介護の基本1」に10時間、「介護の基本2」「コミュニケーション技術」「生活支援技術1」「介護過程1」にそれぞれ20時間かかります。さらに、「介護過程2」には25時間「生活支援技術2」に30時間、「介護過程3」に45時間かかるので、「介護」領域の学習時間は全部で190時間です。

「こころとからだのしくみ」の領域は科目数が多いうえに、「こころとからだのしくみ2」だけでも学習にかかる時間は60時間です。「発達と老化の理解1」「認知症の理解1」「障害の理解1」にはそれぞれ10時間ずつ、「発達と老化の理解2」「認知症の理解2」「障害の理解2」「こころとからだのしくみ1」にはそれぞれ20時間ずつかかります。「こころとからだのしくみ」の領域を学習する時間はトータルで170時間です。

「医療的ケア」の領域は科目が「医療ケア」の1つだけですが、50時間かけて学びます。これらの学習時間をすべて合わせると450時間になりますが、先に初任者研修やホームヘルパー1級などの資格を取得していれば、既に学習した科目については受講する必要がありません。該当する科目の部分を除けばよいので、修了までにかかる時間も短縮できます。

実務者研修修了時の試験は義務化されていない

介護福祉士実務者研修は必要な内容を受講すれば良く、修了後の試験を実施する義務はありません。そのため、修了後に試験を行うか行わないかは受講したスクールごとの判断によります。とはいえ、介護福祉士実務者研修は、介護福祉士国家試験を受けるための受験資格にもなっているような研修です。きちんと内容を習得できているかを確認するために、介護技術や医療的ケアについて、筆記試験や実技試験を課すスクールもあります。ただし、試験が行われる場合でも、きちんと研修を受けていれば合格できる程度の内容なので、心配はいりません。

まとめ

介護福祉士実務者研修は、介護職員初級者研修の上位資格として取っておきたい資格です。研修を受けるためにはまとまった時間が必要ですが、通学ではなく通信教育とスクーリングで修了することもできます。介護福祉士の受験資格を得られるうえに、サービス提供責任者にもなれるので、取得することで得られるメリットは計り知れません。計画的に資格の取得を目指しましょう。