あん摩マッサージ指圧師になるには 教えてグッピー | 医療・介護の求人・転職・募集ならグッピー
2023年8月30日更新

あん摩マッサージ指圧師になるには

あん摩マッサージ指圧とは、指圧などによって筋肉を揉みほぐすことで血行を改善し、身体のコリや疲労を和らげる施術です。また患者さんが筋麻痺や関節拘縮など医療上マッサージを必要とする症例の場合は、医師による同意や診断に応じて保険の対象としてマッサージを行います。こうしたマッサージが法律で許可されているのは、あん摩マッサージ指圧師国家資格を取得した人だけです。

あん摩マッサージ指圧師とともに、はり師、きゅう師はすべての国家資格を持つ人を、鍼灸マッサージ師、三療師、あはき師とよぶこともあります。はり師、きゅう師は、あん摩マッサージ指圧師とはそれぞれ別の国家資格ですが、これらは技術的・歴史的背景が近いため3つの資格を取得している人もいます。受験資格についても、一部の養成施設や専攻においては3つを取得することができます。

今回の 教えてグッピーあん摩マッサージ指圧師 では、あん摩マッサージ指圧師の国家資格の取得方法や養成する学校、仕事内容や就職先などについて紹介します。

あん摩マッサージ指圧師に必要な資格・試験

あん摩マッサージ指圧を行うには、あん摩マッサージ指圧師国家試験に合格し、資格を取得することが必須です。試験を受けるためには、原則として高校卒業後、養成施設で3年以上カリキュラムを履修して卒業する必要があります。

あん摩、マッサージ、指圧はそれぞれ独自の歴史を持つ技術であるが、基本的動作が似ていることもあって、法律上は一つの資格になっています。「はり」と「きゅう」は「あん摩マッサ-ジ指圧師」とは別種の資格だが、施術上関係が深く、両方の資格を取得している人も多くいます。

あん摩マッサージ指圧師を養成する学校・学費

あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格については、晴眼者(視覚障害がない人)と視覚障害者とで異なりますが、いずれにせよ専門の教育を受ける必要があります。

晴眼者の場合、専門学校または短大で3年以上学び卒業することで受験資格を得られます。2022年時点で、あん摩マッサージ指圧師を養成する専門学校は26校あり、多くの場合は晴眼者、視覚障害者ともに入学できます。学費については、年間100万〜170万円が相場になっています。

あん摩マッサージ指圧師の就職先

あん摩マッサージ指圧師の就職先には、マッサージ院などの施術所、医療機関、介護福祉施設、企業のヘルスキーパーなどがあります。また、あん摩マッサージ指圧師は独立開業が可能です。自分一人だけでも運営可能で、年齢に関係なく仕事ができるため、定年退職者が勉強して開業するケースもあります。かつては病院などの医療機関でも求人がありましたが、近年では少なくなっています。

施術所・接骨院

施術所や接骨院で施術をします。近年は利用者の自宅や宿泊施設などに訪問して施術することも増えているようです。将来の独立開業を目指す人にとっても施設運営や実践的な技術を学ぶことができるので、ステップアップの一手段となっています。

介護保険施設

機能訓練指導員として、特別養護老人ホーム(特養)などで入居している高齢者の身体機能の維持・回復のため、マッサージなどの施術をします。ほとんどが正規雇用のため、比較的安定した職域といえます。

ヘルスキーパー

ヘルスキーパーは企業内理療師ともよばれ、企業の福利厚生の一環として従業員に対して施術等を行う仕事です。施術やセルフケアに関する指導などを通じて、従業員の健康増進や業務改善に寄与します。ヘルスキーパーは比較的新しい仕事ですが、規模の大きい企業を中心に雇用が広がっています。

開業

あん摩マッサージ指圧師は開業して自分のお店を持つことができます。お店に来てもらって施術するだけでなく出張することもあります。開業形態としては、自宅開業や賃貸店舗での運営が一般的です。あん摩マッサージ指圧師は開業者が多く、厚生労働省のホームページではあん摩マッサージ指圧師の65.0%が、東洋療法学校協会のアンケート回答者の34.5%が開業やフリーランスなどの形態で働いているとされています。

免許取得後はすぐに開業することもできますが、学校で学んだ知識だけで成功させるのは容易ではありません。技術や運営のノウハウを学ぶために治療院や接骨院などで経験を積んでから独立する人が多いようです。

あん摩マッサージ指圧師の仕事内容

治療院などでは身体の不具合や痛みなどの訴えを聴き取り、依頼者の身体のツボを中心になでる・押す・揉む・叩くことによって血行を改善することで治療します。基本的には器具などは使わず、手指のみで行います。施術を行う場所は自施設だけとは限らず、依頼者の自宅や宿泊先に出張することもあります。

あん摩マッサージ指圧の技術要素の一つであるあん摩において、かつては視覚障害者がほとんどでした。国家資格として整備された現在は免許取得者の多くが晴眼者で、視覚障害者の割合は減少傾向となっています。

あん摩マッサージ指圧師の月収・年収・賞与

厚生労働省の統計によれば、あん摩マッサージ指圧師の平均年収は約423万3,700円で、月収では約29万9,800円です。また、賞与は約63万6,100円です。ただしこの統計には、あん摩マッサージ指圧師以外にも、はり師、鍼灸師、栄養士、柔道整復師などを含みます。

あん摩マッサージ指圧師の給料相場

年収423万3,700円
月給29万9,800円
賞与・ボーナス63万6,100円

令和3年賃金構造基本統計調査

あん摩マッサージ指圧師の適性・向いている人

あん摩マッサージ指圧師は常に人と接する仕事です。適切な施術のためにも依頼者とのコミュニケーションは欠かせません。また常に体を動かす仕事でもあります。重いものを持ち上げたり常に動き回ったりするわけではありませんが、自分の体調を管理しつつ身体的なパフォーマンスを整えられるようにする必要があります。

コミュニケーション能力

あん摩マッサージ指圧師にはコミュニケーション能力が大切です。施術では依頼者との対話に基づいて身体の不具合やや痛みの原因を突き止めます。またヘルスキーパーや機能訓練指導員といった仕事では、お年寄りから若い方まで幅広い年齢層を相手に健康増進のための具体的な指示をすることもあります。特別な会話のスキルは必要はありませんが、会話が好きであれば人間関係が円滑になるシーンもあるでしょう。会話が得意でなくても、人当たりのよさや明るい表情など、依頼者の緊張を和らげられるような応対が求められます。

体力・体調管理能力

あん摩マッサージ指圧では、自らの手指で筋肉を揉んだりさすったり叩いたりしてときほぐして血行を改善します。基本的には器具を用いることはありませんので、相応に握力が必要になります。また同じ姿勢で仕事をしていると疲労が蓄積しやすくなりますので、体調をしっかり管理しなくてはいけません。あん摩マッサージ指圧師は体が資本ですから、体力や健康管理能力は大切な素養といえます。