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2023年8月30日更新

鍼灸師になるには

鍼灸師という国家資格はなく、はり師国家資格ときゅう師国家資格の2つを持つ人を鍼灸師といいます。国家試験の受験資格は、はり師、きゅう師を養成する学校で3年以上修学すると得ることができます。鍼灸は長い歴史を持つ伝統的な治療法です。東洋医学の分野は近年、研究が進んでおり、痛みやしびれなどを緩和するメカニズムや有効性が少しずつ明らかになっています。そうした背景もあってか、介護やスポーツといった領域でも鍼灸の需要が高まっています。

鍼灸師国家試験は1年に1回、2月中旬から下旬ごろの土日に実施されます。合格発表は3月下旬です。合格率は60%台後半から70%台前半で、簡単に合格できる試験ではありません。

鍼灸師になるには

鍼灸師に必要な資格・試験

鍼灸師になるには、はり師・きゅう師の2つの国家試験に合格する必要があります。はり師・きゅう師国家試験を受けるためには、養成施設(専門学校、大学、短大など)で、はり・きゅうの技能と知識を3年以上修学し、受験資格を取得する必要があります。視覚障害者の場合は一部の専門学校以外にも、盲学校や視力障害センターなどで修学が可能です。 資格取得後は、例年2月末に実施されるはり師・きゅう師の2つの国家試験に合格することで、鍼灸師になることができます。国家試験の問題は同時に受験することができますから、1回の受験ではり師・きゅう師国家資格を取得することも可能です。

はり師 国家試験合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

きゅう師 国家試験合格者数と合格率

厚生労働省発表資料より

鍼灸師を養成する大学・学費

鍼灸師を養成する学校は2023年時点で大学が11校、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師を養成する養成施設が28校、はり・きゅう師を養成する養成施設が84校あります。学費については年間100万〜170万円が相場になっており、3年間でおよそ300万〜500万円が必要になります。視覚障害者が就学可能な特別支援学校の場合は国公立も多くあり、入学金、授業料ともに無料です。私立の場合でも、年間費用として数万円以下のところがほとんどです。

鍼灸師の就職先

鍼灸師が活躍する場として、施術所や出張施術、医療機関、介護保健施設、リラクゼーション・スパ、会社などの福利厚生施設などがあります。はり師・きゅう師の国家資格では開業が許可されています。施術所などで技術を身につけ、独立して開業するのは鍼灸師の代表的なキャリアパスの一つです。

鍼灸師の仕事内容

鍼灸師の仕事は、はり・きゅうの施術によって身体の痛みや不調を改善することです。はりで身体のツボをはりで刺激したり、きゅうでツボを暖めるたりすることで血行を改善し、自然治癒力を活性化させたり、痛みを和らげたりできるとされています。 鍼灸の痛みを和らげる作用については、がん患者における精神的・身体的な痛みに対する緩和ケアの一環としても注目されています。また副作用がほとんど認められない点も注目されており、薬物治療が難しい乳幼児や妊婦も施術が可能です。

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鍼灸師の年収・月給・給料

厚生労働省の統計によれば、鍼灸師の平均年収は約423万3,700円で、月収では約29万9,800円です。また、賞与は約63万6,100円です。ただしこの統計には、鍼灸師以外にも、あん摩マッサージ指圧師、栄養士、柔道整復師などを含みます。

鍼灸師の年収相場

年収423万3,700円
月給29万9,800円
賞与・ボーナス63万6,100円

令和2年賃金構造基本統計調査より

鍼灸師の適性・向いている人

鍼灸師は常に人と接する仕事といっても過言ではありません。施術においても職場においてもある程度のコミュニケーション能力は求められます。また、はりやきゅうによる施術は、知識はもちろん、技術的なバックグラウンドが非常に重要です。手先の器用さに自信がある人はアドバンテージになるかもしれません。

コミュニケーション能力

鍼灸師は人の命に関わる仕事です。患者さんの命と健康、生活を守ることに責任感を持って、生命の尊厳についての深い認識と高い倫理観を備えていることが必要です。

患者さんの薬や治療法は医師が決めますが、最終的に薬を患者さんに渡したり、注射剤などを準備するのは鍼灸師です。間違った薬剤や量、患者さんにふさわしくない薬を投与しないように、責任を持てる人でなくてはなりません。

手先が器用

はり・きゅう、とくにはりの施術ではデリケートな技術が求められます。はりを刺入する場所はもちろん、刺入の深さを間違えれば期待した作用は得られません。刺入後もすぐに抜いたり、振動させたり、回旋させたりなどさまざまな手法があります。こうした技術はもちろん鍛錬によっても上達しますが、手先が器用であったり几帳面な性格な人は向いているといえるでしょう。