診療放射線技師の年収は?月収、ボーナス、初任給の相場 | 教えてグッピー
2025年7月14日更新

診療放射線技師の年収は?月収、ボーナス、初任給の相場

厚生労働省による令和6年賃金構造基本統計調査の 「診療放射線技師」 の項を参照すると、10人以上の事業所における平均年収は549万8,500円、月給(きまって支給する現金給与額)は37万5,600円、賞与・ボーナスの平均は99万1,300円となっています。

初任給(経験年数0年)の年収はおおよそ353万9,700円程度で、そこから50歳代にかけては700万円前後まで年収が増加していく傾向にあります。

診療放射線技師の給料相場(10人以上の事業所)
年収549万8,500円
月給37万5,600円
賞与・ボーナス99万1,300円
初任給351万9,900円
(20〜24歳・就業経験0年の診療放射線技師の平均年収)
時給2,770円
(10人以上の事業所の平均時給)

令和6年賃金構造基本統計調査

今回の 教えてグッピー 診療放射線技師 では、診療放射線技師の初任給や規模別・年齢別の年収、月給、賞与・ボーナスなどについてみていきます。

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診療放射線技師の年収

令和6年賃金構造基本統計調査(2024年調査)によると、診療放射線技師の平均年収は549万8,500円(10人以上の事業所)で、近年はおおむね530万~550万円台で安定した水準を保っています。

年齢別の年収

診療放射線技師の年収を年齢別でみると、20~24歳が384万2,100円で、その後年齢とともに増加します。55~59歳では761万9,300円でピークを迎え、その後60代からは下降する傾向が見られます。

医療施設の主な収入源は診療報酬です。診療報酬に基づく医療行為は一律に点数化されているため、経験やスキル、成果などによって増減することはありません。

国家公務員では、診療放射線技師は医療職俸給表が適用され、診療放射線技師全体の平均的な年収よりも高くなる場合もあります。

年齢別 診療放射線技師の年収

年齢年収
20~24歳384万2,100円
25~29歳455万400円
30~34歳494万2,300円
35~39歳564万1,000円
40~44歳562万7,100円
45~49歳627万9,700円
50~54歳703万1,400円
55~59歳761万9,300円
60~64歳589万6,800円
65~69歳617万3,500円
70歳~478万7,600円

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

診療放射線技師の年収推移

賃金構造基本統計調査による診療放射線技師の平均年収は、2009年に495万8,200円と落ち込み、そこから3年ほどは500万〜510万あたりを推移していましたが、ここ数年で540万円あたりまで上昇しています。

診療放射線技師の年収

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

規模別の年収

診療放射線技師の2024年の年収を勤務先の規模別で見ると、従業員数が多い事業所ほど年収が高い傾向にあります。最も高かったのは1,000人以上の大規模事業所で約583万5,000円、次いで10~99人規模の事業所で約543万9,000円となっています。 これに対し、100~999人規模では約513万7,000円、5~9人規模では約500万3,000円と、事業所規模によってばらつきが見られます。

勤務先規模別 診療放射線技師の年収(2024年)

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

Q. 診療放射線技師は歯科医院で働けますか?

A. はい。診療放射線技師というと病院や一般クリニックのイメージが強いですが、歯科用CTやパノラマエックス線、インプラント治療前の撮影などを行う歯科医院・口腔外科でも活躍の場があります。

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診療放射線技師の初任給

厚生労働省の調査によると、診療放射線技師の平均初任給(勤務経験0年の診療放射線技師の給与)は、20〜24歳で年収351万9,900円、月給(所定内給与)は29万1,100円、賞与は2万6,700円となっています。また、年齢を問わず経験年数0年全体では、月給が28万5,700円、賞与・ボーナス等が11万9,300円、年収換算で353万9,700円とされています。

診療放射線技師の初任給

年収月給賞与・ボーナス
351万9,900円29万1,100円2万6,700円

「令和6年賃金構造基本統計調査」より

診療放射線技師の月収

診療放射線技師の月給は、平均37万5,600円です。 このうち時間外勤務などの諸手当を除いた基本給(所定内給与額)は34万2,600円となっており、ここから所得税や社会保険料などが差し引かれた金額が実際の手取りとなります。

調査対象となった診療放射線技師の平均年齢は40.0歳、平均勤続年数は13.0年でした。

事業規模別の月収

また、事業所の規模別に見ると、従業員数が少ない事業所では平均年齢が高く(例:10~99人規模では47.4歳)、月給がやや高めとなる一方で、賞与は少なめの傾向があります。 一方、従業員数が多い(1,000人以上)事業所では、月給は37万7,800円と全体平均と同程度ですが、賞与が多く、年収では上回る傾向にあります。

組織規模
(従業員数)
5~9人10~99人100~999人1,000人以上企業規模計
(10人以上)
月給31万6,900円39万0,600円36万1,500円38万5,700円37万5,600円
月給(手当なし)31万5,500円37万3,000円33万7,600円34万1,700円34万2,600円
平均年齢48.6歳47.4歳40.3歳38.4歳40.0歳
経験年数12.4年11.3年12.8年13.5年13.0年

Q. 診療放射線技師の給与の相場は?

A. 平均月給は37万5,600円です。
このうち基本給(所定内給与額)は34万2,600円で、残りは諸手当となります。

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診療放射線技師の賞与・ボーナス

診療放射線技師の賞与・ボーナスは、従業員が10人以上いる事業所の平均で年間82万5,000円です。

事業所の規模が小さい順に見ると、10〜99人の事業所では59万4,000円、100〜999人では71万9,500円、1,000人以上の大規模事業所では92万6,000円となっており、従業員数が多いほど賞与額が高くなる傾向が見られます。

また、5~9人規模の事業所では、ボーナスが120万500円となっています。

診療放射線技師のボーナス

組織規模
(従業員数)
5~9人10~99人100~999人1,000人以上企業規模計
(10人以上)
賞与120万500円75万2,600円79万8,700円120万6,600円99万1,300円
年収500万3,300円543万9,800円513万6,700円583万5,000円549万8,500円
平均年齢48.6歳47.4歳40.3歳38.4歳40.0歳
経験年数12.4年11.3年12.8年13.5年13.0年

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

Q. 診療放射線技師の転職理由は?

A. 主な理由は「給料や待遇を上げたい」「休日・勤務時間を改善したい」「専門分野に挑戦したい」といったものです。
休日に関しては、パート勤務のほか、診療所、歯科診療所への転職も可能であり、さまざまな働き方ができる可能性があります。

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診療放射線技師の時給

短時間で働く診療放射線技師の時給平均は2,770円です。

事業所の規模別に見ると、従業員数が10〜99人の事業所で2,742円、100〜999人の事業所で2,581円、1,000人以上の大規模事業所では3,449円となっています。従業員数が多い事業所ほど、時給が高くなる傾向が見られます。

短時間勤務の診療放射線技師の時給

組織規模
(従業員数)
10~99人100~999人1,000人以上事業所平均(10人以上)
時給2,742円2,581円3,449円2,770円
平均年齢54.6歳53.6歳62.6歳55.3歳
勤続年数5.5年6.7年8.3年6.5年

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

男性・女性の時給の違い

診療放射線技師においては、男女で勤務状況や給与水準にやや違いが見られます。

調査によると、男性の1時間あたりの所定内給与額(時給)は2,705円、一方で女性は2,920円と、女性のほうが約215円高い結果となりました。勤続年数は女性が7.0年、男性が6.2年と、女性の方がやや長く勤務している傾向があります。

診療放射線技師の男女別時給比較

性別平均年齢勤続年数1時間あたりの所定内給与額
男性 58.4歳6.2年2,705円
女性48.1歳7.0年2,920円

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」より

また、所定内労働時間は男性が5.4時間、女性が4.8時間と、女性のほうが勤務時間がやや短い、実労働日数は女性の方が多い(女性:11.3日/月、男性:9.5日/月)傾向がみられます。

ある調査(診療放射線技師の需給現状と将来需要および処遇改善に関する調査研究)では、求人票に「女性の募集」や「マンモグラフィー業務対応のため女性技師を希望」といった記載があるかを調査した結果、全体の7.3%にあたる42件の求人票に女性活用を促す記載が見られました。これは2015年度(5.9%)、2013年度(6.4%)と比較しても大きな変化はなく、女性技師の活用を明記する求人は少数にとどまっています。

また、放射線部門における女性技師の割合は全体の24.6%と報告されています。マンモグラフィー業務においては、女性の技師が求められる傾向があり、この分野での需要が女性活躍の一端を担っていると考えられます。

公務員として働く診療放射線技師の給料

診療放射線技師の公務員としての職場は国立病院や国立がんセンター、各地の保健所や健康福祉センターなどがあります。また放射線の測定や分析、被曝線量の監視、健康管理、放射線防護などを業務とする疾病対策研究所や原子力災害対策本部などもあります。

給与水準は厚生労働省の地方公務員給与実態調査における医療技術職を参考にすると、基本給にあたる給料月額が29万6,748円、その他の手当を合算すると31万4,740円となります。職場の規模や専門性、責任の大きさによってその価格は変動します。

医療技術職の地方公共団体職員平均給与額
給料月額29万6,748円
諸手当合計1万7,992円
平均基本給月額31万4,740円

「令和5年地方公務員給与実態調査」より

手当・福利厚生

病院やクリニック、研究施設、あるいは一般企業に勤務する診療放射線技師には、従業員及びその家族の生活を支援するために各種の福利厚生が提供されます。「法定福利」と呼ばれる健康保険や厚生年金、雇用保険、労災保険、介護保険など、「法定外福利」と呼ばれる住宅手当や通勤手当、有給休暇、資格取得支援、出産・育児休暇、院内保育所を含む託児所・保育所など、生活に不安を感じることなく仕事に専念できるよう、また従業員のモチベーション向上のために、さまざまな福利厚生を利用することができます。ただし、企業・団体によってその内容は異なります。

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